2026年01月09日
令和8年度の歯科保健医療施策関係予算(案)が12月26日に閣議決定されました。令和7年度の補正予算も含めると、歯科に関わる医政局歯科保健課予算は93億7200万円で対前年度比63.5%増額になっており、「歯科口腔保健・歯科保健医療の充実・強化」の部分は、前年度に比べ2倍になる他、喫緊の課題や将来に向けた課題に対応すべく、随所に工夫の見られる内容と受け止めています。
骨太方針2025にも記載されているように、「歯科口腔保健の充実」と「歯科保健医療提供体制構築の推進と強化」は国の歯科保健医療政策の大きな柱であり、今回の予算でもこの喫緊の課題に対する取り組みが示されています。特に、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向け、保険者及び事業主、自治体の支援を行う新たなパイロット事業が提案されており、いわゆる国民皆歯科健診の実現に向けた、具体的な推進のための施策の一つとなることが期待されます。また、地域間の健康格差是正に重要な8020運動・口腔保健推進事業のメニューにオーラルフレイル予防推進事業が明示されたことなど、評価したいと考えています。なお、口腔保健推進事業については、都道府県等にも予算面での負担が生じることから、事業への取り組みに関して、自治体への積極的な働きかけをお願いいたします。また、「歯科保健医療提供体制推進・強化」については、「歯科医療提供体制構築推進・支援事業」が継続され、「地域拠点病院・地域拠点歯科診療所施設整備事業」に地域拠点歯科診療所・地域歯科医療支援センター(仮称)が追加されるなど、内容が拡充されています。新規の補正予算として、「災害時等歯科保健医療提供体制整備事業」も盛り込まれています。これらは各地域における歯科医療提供体制の課題を解決するための重要な予算であり、多くの地域に存在する課題を解決し、地域特性に応じた体制構築に向けて更に推進されることを期待します。
さらに、歯科専門職の人材確保については、「歯科専門職の業務の普及啓発事業」や「歯科衛生士の人材確保実証事業」、「歯科技工士の人材確保実証事業」等において、良質な人材の確保やより効果的な人材確保対策に関する検討を実施することになっています。これまでの事業で得られた成果や課題の収集・分析と評価を行うことにより、実効性のある歯科専門職の人材確保方策の検討に期待したいと考えています。地域における適切な歯科保健医療の提供において、各地域で必要な歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士を確保することは極めて重要であり、それぞれの職種における偏在対策や需給推計は喫緊の課題といえます。今後、地域の歯科医療資源の実情も踏まえ、需給推計を含めた歯科専門職の適切な数の把握及び偏在対策に努めていただきたいと考えています。
歯科保健課予算については、次年度以降、確保された予算の有効活用、個々の事業の運用面での見直しを含めた更なる充実と計画的でかつ迅速な執行をお願いしているところです。厳しい財政状況の中で、ご理解とご支援を賜り、予算の確保に尽力いただいた関係国会議員の皆様や、日本歯科医師連盟はじめ多くの関係各位にお礼を申し上げます。
今後は、この令和8年度予算が有効に活用され、歯科関係事業が円滑かつ迅速に実施されるように本会も積極的な提言と協力をして参る所存です。






