2017年01月16日
大規模災害等の発生時に、歯科医療支援物資をこれまで以上に迅速かつ適切に被災者などに届けるため、日本歯科医師会と日本歯科商工協会は1月12日(木)、「大規模災害発生時等における歯科医療に係る支援物資協力協定」を締結しました。調印式では、堀憲郎・日本歯科医師会会長と森田晴夫・日本歯科商工協会会長が調印を取り交わし、支援物資の提供体制の充実を確認しました。
堀日歯会長は22年前の阪神淡路大震災以来の大規模災害時の歯科対応を振り返り、「災害歯科医療や緊急時対応はどれだけ準備しても、これで良いというゴールのない議論であるが、歯科関係者のプライドをかけた議論と位置づけて対応したい。本協定を弾みに、さらに議論を深めていきたい」と述べ、さらなる体制の充実に意欲を示しました。森田日本歯科商工協会会長は災害時等における支援物資の供給量やタイミングの判断などの課題があったことに言及した上で、「生きた協定として今後も協力していきたい」と意気込みを述べました。
協定では、協力支援物資を一般向けと歯科医師向けに分けて記載。一般向けは歯ブラシ、歯磨き剤などの口腔ケア用品等で、歯科医師向けはマスク、グローブなどの歯科医療提供体制に係る品目を載せています。(別表)
日本歯科医師会はこれまでの大規模災害等発生時に、関係省庁及び日本歯科商工協会を始めとする歯科関係企業と連携して、被災者への支援を行うために必要な歯科医療支援物資を準備し、被災地の状況を適宜判断しながら提供してきましたが、具体的な運用ルール等は定めていませんでした。
【一般の方を対象とした口腔ケア用品等の支援物資】
一 歯ブラシ(大人用、子ども用)、歯間ブラシ、デンタルフロス、スポンジブラシ
二 歯磨き剤(大人用、子ども用)、デンタルリンス
三 義歯ブラシ、義歯洗浄剤、義歯安定剤、義歯洗浄剤用カップ、義歯ケース
四 うがい薬、口腔保湿剤、口腔清掃シート
五 紙コップ
六 マスク
【歯科医師を対象とした歯科医療提供体制に係る支援物資】
一 マスク
二 グローブ
三 紙エプロン
四 紙コップ
五 デンタルミラー、歯科用探針・エキスプローラー・プローブ、エキスカベーター、歯科用ピンセット等
六 手指消毒剤(医薬品以外の医薬部外品や雑品)
七 その他、会員企業が取り扱う地震、風水害、新型インフルエンザ等感染症に要する対策物資