プレスリリース・活動報告

　日本歯科医師会は、令和7年度制度・予算に関する要望書を取りまとめ、武見敬三・厚労大臣をはじめ、盛山正仁・文科大臣、齋藤健・経産大臣、工藤彰三・内閣府副大臣、木原誠二・自民党幹事長代理に要望書を提出し、国民皆歯科健診の実効化に向けた環境整備や、医療DX推進への支援、歯科医師需給問題への対応、大規模災害等に備えたポータブルの医療機器等の整備、物価高騰への支援などを求めました。

厚生労働省関係

武見敬三・厚生労働大臣（中央）

　8月1日の武見厚労大臣との面談には、高橋英登会長、山本秀樹常務理事、小野寺哲夫常務理事、日本歯科医師連盟の村上恵一副会長が訪問し、重点要望として、▼国民皆歯科健診の実効化に向けた環境整備、▼人口の減少や構造を踏まえた歯科医療提供体制の確保・整備、▼歯科医師需給問題への対応、▼共用試験の公的化等に係る財政的支援、▼歯科医療におけるDX推進の支援、▼医薬品の安定供給に向けた迅速な対応、▼歯科医療従事者の人材確保と賃上げに向けた取組、▼歯科衛生士及び歯科技工士の人材確保及び養成の支援－を要望しました。特に国民皆歯科健診の実効化に向けた環境整備では、歯周疾患検診の対象年齢を5歳刻みに拡大することをはじめ、各ライフステージにおける歯科健診の充実を求めました。
　また、人口の減少や構造を踏まえた歯科医療提供体制の確保・整備については、誰一人取り残さない歯科医療・在宅歯科医療の展開に向けて、▼医療インフラが整備されていない地域における人材を含めた歯科医療機能の維持・確保、歯科医療提供体制の整備、▼地域の歯科診療所では困難な障がい児（者）や医療的ケア児（者）、有病者、要介護者等への口腔健康管理に資する環境整備、▼医科病院における歯科機能の拡大や歯科診療所との連携、後方支援体制の構築を要望しました。
　さらに、歯科医療におけるDX推進の支援では、効率的な歯科医療を提供するためのシステム導入等や、患者の医療情報を適切に管理するためのサイバーセキュリティ強化等に対する財政的支援、診療報酬改定DXの最終目標である医療機関の負担軽減の確実な達成に向けて開発環境の整備と必要な支援を求めました。

文部科学省関係

盛山正仁・文部科学大臣（中央）

　8月6日の盛山文科大臣との面談には、高橋会長、瀬古口精良専務理事、日本学校歯科医会の柘植紳平会長、日歯連盟の村岡宜明副会長が訪問し、重点要望として▼学校教育下における歯科保健教育の充実、▼学校歯科健診情報の本人提供（PHR）の推進、▼スポーツマウスガードの普及促進、▼共用試験の公的化等に係る財政的支援、▼歯科衛生士及び歯科技工士の人材確保及び養成の支援、▼歯科医師の偏在対策のため地域枠等の設置の検討―を求めました。特に、歯科医師偏在対策として、今後地域における歯科医療の担い手が不足することが予想されることから、厚生労働省と連携の上、歯科医師の偏在対策のため、歯科大学・大学歯学部における地域枠等の設置について検討を要望しました。
　また、日学歯の柘植会長からは、歯科保健教育の更なる推進に関する要望がなされました。

経済産業省関係

齋藤健・経済産業大臣（中央）

　7月31日の齋藤経産大臣との面談には、高橋会長、蓮池芳浩副会長、瀬古口専務理事、日歯連盟の村上副会長が訪問し、▼健康経営の視点からの歯科口腔保健活動の推進、▼ISO/TC106への参加に向けた支援、▼歯科用金属材料の安定供給、▼物価高騰による影響等への支援策－を求めました。なかでも健康経営の視点からの歯科口腔保健活動の推進については、企業での歯科口腔保健活動を推進するとともに、従業員等に対する歯科口腔のリテラシーの向上を図り、歯科受診等で安心して業務に従事できる環境の整備を求めました。

こども家庭庁関係

工藤彰三・内閣府副大臣（中央）

　8月1日の工藤内閣府副大臣との面談には、高橋会長、瀬古口専務理事、山本常務理事、日歯連盟の村岡副会長が訪問し、▼妊産婦、乳幼児、児童・生徒への歯科健診の充実、▼妊娠期から子育て期における歯科の体制整備―を要望。特に歯科健診の充実に関しては、妊娠4か月頃を目途とする歯科健康診査の受診勧奨、産後を含めた歯科健康診査の強化、5歳児健診を含め、乳幼児歯科健診後から就学時までにおける歯科健診制度の創設、小学校、中学校におけるフッ化物洗口の推進が必要としました。さらに、学校保健安全法施行規則における大学の健康診断に係る「歯及び口腔の疾病及び異常の有無」の取り扱いの見直し及び大学における歯科健康診査の充実や、大学、専門学校、短期大学への学校歯科医制度の導入などを求めました。

内閣府関係

木原誠二・自民党幹事長代理（左から４人目）

　7月31日の木原自民党幹事長代理との面談には、高橋会長、蓮池副会長、瀬古口専務理事、日歯連盟の村上副会長と大越壽和副会長が訪問し、▼大規模災害等に備えた巡回診療車やポータブルの医療機器等の整備についての支援、▼物価高騰への対応―を要望。特に、大規模災害等に備えた巡回診療車等の支援に関しては、骨太の方針2024を踏まえて、大規模災害等に速やかに歯科保健医療サービスが提供できるよう、平時から有事に備える必要性を訴えました。

資料1　令和7年度（2025年度）制度・予算要望書
資料2　令和7年度制度・予算に関する重点項目（厚生労働省関係）
資料3　令和7年度制度・予算に関する重点項目（文部科学省関係）
資料4　令和7年度制度・予算に関する重点項目（経済産業省関係）
資料5　令和7年度制度・予算に関する重点項目（こども家庭庁関係）
資料6　令和7年度制度・予算に関する重点項目（内閣府関係）