日本歯科医師会は、歯科医療を通して国民の皆様の歯と口の健康を守るために活動するわが国の歯科界を代表する唯一の総合団体です。
人生の最期の日まで「自分の口でおいしく食べることができるようにすること」を目指しており、それはお年を召されても健康でいられること、すなわち「健康長寿社会の実現」に貢献することでもあります。
最近では、「口腔内の環境の良し悪しが全身疾患の発症に大きく影響すること」が広く周知され、「歯科」に対する理解が深まってきています。
以前にも増して歯科医療の重要性が認識されつつある今、日本歯科医師会をはじめ都道府県や郡市区の「歯科医師会」の活動を正しく理解していただく絶好の機会が到来したと感じています。
一方で、わが国の少子高齢化は、世界に類を見ないほど急速に進み、そして医療技術の進展に伴う医療コストの急増等により、昭和36年より半世紀以上に亘り続く国民皆保険制度が今、存続の危機に瀕しています。
国民の誰もが全国の医療機関で公的保険によって低負担で医療を享受できる、諸外国には例を見ない世界に誇れる素晴らしい医療保険制度です。もし保険料や窓口負担の増加、保険の範囲が狭まることになれば医療の質の低下につながり、高齢者の身近で安心な医療を奪うことになりかねません。安心して医療を受けることができる環境を維持するためにも、この制度を守らなければいけません。
「おいしく食べて健康長寿」。日本歯科医師会が目指す活動の「源」として、約64,000名の会員が一丸となって、国民の皆様がより一層安心して歯科医療を受けることができる環境づくりに万難を排して邁進します。どうぞご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
公益社団法人日本歯科医師会 会長
高橋 英登