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プレスリリース・活動報告

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堀会長ら被災3県を視察
平成30年7月豪雨対応 臨時記者会見

 日本歯科医師会は7月19日(木)、歯科医師会館で記者会見を開催し、平成30年7月豪雨に係る日本歯科医師会や被災県の歯科医師会の対応状況をはじめ、堀憲郎会長ら役員が15日(日)、16日(月)に岡山、広島、愛媛の3県を視察したことなどを報告するとともに、今後の日本歯科医師会の対応方針を説明した。

 堀会長は、豪雨災害の犠牲者に哀悼の意を表し、被災者にお見舞いを述べた上で、一日も早い復旧復興を実現するべく、被災地支援に全力を挙げる考えを示した。

 さらに、このたびの豪雨災害については、6月18日(月)の大阪府北部地震の発災後、日本歯科医師会内に設置して対応してきた災害対策本部を拡大し、被災地支援に当たっていることを説明した。

 引き続き、堀会長は、柳川忠廣、佐藤保、牧野利彦の3副会長と手分けをして15、16日に、特に被害が大きかった岡山、広島、愛媛各県を視察した結果を報告した。

 今回の視察について、「県歯科医師会と意見交換し、具体的に情報の把握や提供、助言をすることができた。また3県の特に被害の大きかった地区の被災状況を確認することができた」と述べた。

 さらに、現地では岡山、広島の県歯科医師会役員と各対策本部のある県歯科医師会館等で意見交換したことなどを報告。行政との情報共有の徹底、避難所での口腔健康管理の徹底、被災者への歯科保健指導(啓発活動含む)など幅広く議論したことを説明した。

 今回の訪問で、3県の被災医療機関を計7件視察した結果、ほとんど1階部分が水没しており、検査機器等の被害が大きく、復旧には相当困難があることを認識した一方、地元の関係者等の協力を得て復旧への取り組みが進んでいることを伝えた。また、自らが被災した医療機関からは「できるだけ早く地域の口腔健康管理の役に立ちたい」との声が挙がっていることや、被災医療機関が「井戸水あります」「トイレ使えます」などの張り紙をして、懸命に地域住民の支援に当たっていた姿が印象的であったと述べた。

 今後の避難所対応については、3県とも県内の歯科医師などで対応できるとの方向性が示されたことから、準備待機を要請していた全国の都道府県歯科医師会に、人的支援体制の一時解除を連絡したことを報告した上で、現地歯科医師会を中心に展開し、日本歯科医師会は諸情報の整理と提供や支援物資の供給など後方支援を行う姿勢を示した。

 避難所生活や仮設住宅での生活が長期にわたる住民には、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、現地歯科医師会ときめ細かく連携していく考えを伝えるとともに、今後の暑さも考慮して劣悪な環境にいる時間を少しでも短くすることの重要性を指摘した。さらに被災地域の歯科医療機関の復旧は、地域の口腔健康管理に直接影響するため、厚生労働省等と連携して、必要な医療機関への支援していく方針を示した。

 村岡宜明専務理事は災害対策本部を中心とした日本歯科医師会の対応経緯を説明。被災県への状況確認の他、プレスリリースや日歯メルマガによる情報発信、13日(金)に開催された第25回被災者健康支援連絡協議会の対応などを報告した。

 柳川副会長は、①歯科医師の身元確認出動状況②会員被害状況③義援金のお願い―について報告。①については、19日時点で岡山9件、愛媛及び佐賀で1件について出動している他、犠牲者のかかりつけの歯科医師が、生前情報の提供に協力していることなども紹介した。②については、災害救助法が適用された被災県を中心に、会員診療所の全壊・流出(岡山4件、広島2件)など物的被害の状況を報告した。

 佐藤副会長は、避難所対応や地域歯科医療の確保に向けた対応ついて、「阪神・淡路大震災を契機に、新潟県中越地震や東日本大震災等でも実証され、口腔健康管理の重要性は認知されている」と説明した上で、マスメディアに向けて非常時の「歯みがき」「お口のケア」について情報発信や日本歯科医師会HPに情報を掲載し、口腔健康管理の推進に努めていることを強調した。一方で、避難所の状況や対策に係る情報はまだ不十分のため、定期的に情報収集しながら対策していく考えを示した。

 地域歯科医療の確保に向けては、岡山での相談窓口設置などの避難所対応やJMATとの連携状況などを報告した。

 牧野副会長は、行政から発出されている被災に伴う医療保険制度の関係文書の概要を紹介した。例えば、被災者に対する支援として、保険証流出の場合の一部負担金の免除など公費負担について、生年月日等必要な情報を申し出ると保険診療を受けることができる。また保険医療機関において診療録やレセコン等が水没、滅失の場合は、6月診療分は概算による請求が可能になるものの、提出期限の延長などについて厚労省と折衝していくことや、関係情報を随時、日本歯科医師会HPのメンバーズルームに掲載していく考えを示した。

 小山茂幸常務理事は、災害時における口腔健康管理などの広報活動について、その重要性を伝えるため、日本歯科医師会HPに掲載している動画番組を、短編に再編集して、YoutubeやfacebookなどのSNSに投稿しており、地域のケーブルテレビなどでも活用されていることなどを披露した。また、一般紙だけでなく、テレビ局や地方新聞にも情報提供して啓発に努めていることを報告した。