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プレスリリース・活動報告

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学校教育での歯科保健教育の充実など求める
令和5年度制度・予算で要望書提出

左から瀬古口精良専務理事、堀憲郎会長、
末松信介文部科学大臣、柳川忠廣副会長

 日本歯科医師会(以下、日歯)の堀憲郎会長と柳川忠廣副会長、瀬古口精良専務理事は7月20日、末松信介・文部科学大臣(以下、文科大臣)を訪ねて、「令和5年度制度・予算に関する要望」を提出し、説明しました。

 特に重点的な要望事項として、①学校教育下における歯科保健教育の充実、②学校歯科健診情報の本人提供(PHR)の推進、③児童生徒のスポーツ外傷の予防を目的とした、スポーツマウスガードの普及促進、④歯学部・歯科大学における「診療参加型臨床実習」の充実―を求めました。

 要望書の説明に先立ち堀会長は、7月8日に逝去された安倍晋三・元総理大臣への哀悼の意を伝えるとともに、先に行われた第26回参議院議員選挙での末松文科大臣の当選に祝意を表しました。また、兼ねてから要望していた歯学生による歯科医行為の法的担保(Student Dentist)および共用試験に関して昨年、歯科医師法が改正され一歩進んだと認識していると、感謝の言葉を述べました。

 令和5年度制度・予算に関する重点的な要望事項について説明した柳川副会長は、「学校教育下における歯科保健教育の充実」について、近年の学校歯科健診においては、う蝕のない子どもが増加する一方で、う蝕が多い子どもや、歯肉炎や歯列、顎関節、口腔機能発達不全等、多様な問題を抱える児童生徒も散見されることを指摘しました。その上で、学校歯科医と養護教諭、管理栄養士等の連携の下に、ICT(学習プログラムや専門ツール等のデジタル教材)を活用した児童生徒への歯科保健教育の充実を要請しました。

 「学校歯科健診情報の本人提供(PHR)の推進」については、政府の方針でもあるPHRの推進を踏まえ、文部科学省の校務支援システムにおける学校歯科健診情報の電子化およびマイナポータルを通じた本人への提供、PHRサーバーの構築等を進めること求めました。加えて、日歯と厚生労働省の主体で開発した「口腔診査情報標準コード仕様(厚労省標準規格)」については、学校歯科健診結果についても対応可能であるとして、その利活用の検討を要望しました。

 「スポーツマウスガードの普及促進」については、日本学校歯科医会との連携の下、学校教育現場におけるスポーツの安全性向上に有効なスポーツマウスガードの普及を促進することで、学童等災害の中でも発生頻度が高い、歯や口の外傷の発生予防を図ってほしいとしました。特に、クラブ活動等におけるスポーツマウスガードの着用を推進し、併せてスポーツ指導者(教員など)に対するスポーツ歯科の研修の推進を求めました。

 歯学部・歯科大学における「診療参加型臨床実習」の充実については、歯学生による歯科医行為の法的担保(Student Dentist)および共用試験の公的化に向けたスケジュールを視野に、多様化する歯科需要に対応できる歯科医師の育成に向けて、歯学教育が座学に偏重することなく、臨床能力をより重視した診療参加型臨床実習が充実するよう支援を求めました。

 末松文科大臣は、重点要望の4項目について、文部科学省としても、同じ方向を見ているとして日歯の要望に理解を示すとともに、前向きに取り組む姿勢を見せました。学校教育下における歯科保健教育の充実については十分に理解しているとし、診療参加型臨床実習の充実については、厚生労働省と連携を密にしながら検討していく考えを示しました。


(資料1) 令和5年度(2023年度)制度・予算要望書
(資料2) 令和5年度制度・予算に関する重点要望項目(文部科学省関係)