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プレスリリース・活動報告

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感染症とオーラルケアの関係
「歯と口の健康シンポジウム2020」を開催

右から寺嶋毅・東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科教授、槻木恵一・神奈川歯科大学副学長

 日本歯科医師会は10月14日、オンライン配信の形式で「感染症とオーラルケア」をテーマに、「歯と口の健康シンポジウム2020」を開催し、講演や対談、ブラッシング講座を2部構成で実施しました。


【第1部】
◎講 演
・「感染症とトータルオーラルケア」
  槻木恵一・神奈川歯科大学副学長

 槻木氏は、▼感染症の予防には唾液が重要として、唾液を口内細菌の警察官に例え、歯磨きと舌ケアで唾液力が強化されること▼舌粘膜、舌苔には感染を促進するファクターが存在すること▼歯周ポケットもウイルスの入り口となり、感染のリスク因子になることから、歯周病予防にはセルフケアとプロケア、かかりつけ歯科医による口腔健康管理が重要―等と説明しました。

◎対 談

・「新型コロナウイルスと歯周病との関係性―感染・重症化を防ぐためにオーラルケアでできること
  ゲスト:寺嶋毅・東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科教授
      槻木恵一・神奈川歯科大学副学長

寺嶋氏

 寺嶋氏は、新型コロナウイルスの感染リスクを下げるためには、飛沫感染や接触感染対策、マスク、手洗いなどが重要とした上で、口はいろいろな病原体の入り口であることから、口腔内の感染や防御のしくみを研究し、論文として発信することは貴重であると話しました。また、臨床医の立場から、このような新たな知見がオーラルケアによる歯周病のコントロールの重要性を知ってもらうきっかけになったとし、その成果が新型コロナウイルスにおいてもどのように活かされていくか期待しているとしました。
 槻木氏は、歯周病と新型コロナウイルスの関係性について、歯周ポケットからのウイルス侵入要因は論文で証明されており、歯周ポケットは歯周病になる過程で発生するため、歯周病の人は新型コロナウイルス感染症になりやすい可能性があると話しました。その上で、口内環境によって、感染症の重篤化リスクを高めることもあるので、歯磨きや唾液を出すことの効果、舌の掃除などが大切であると説明しました。

槻木氏

 さらに、歯周病のセルフチェックのポイントについて、歯を磨いたときに「血」が出たかどうかは毎日簡単に確認できるとして、日頃からの歯周病予防を呼びかけました。
 これを受けて、寺嶋氏は、加齢とともに歯周病は進行するが、新型コロナウイルスにおいても加齢は重症化のリスク因子の一つであるとし、自身の体調を自分でチェックするなどいろいろな病気の予防のために、日々できることを面倒がらずに行うことの大切さを解説しました。
 最後に寺嶋氏は、新型コロナウイルス感染症対策には、手洗い、マスク、ディスタンスの基本的な感染対策を適切に行うことが重要であるとともに、インフルエンザの症状と区別がつかないため、同時にかかることもあることから、インフルエンザの予防接種などできる対策はしておくことが重要と強調しました。
 槻木氏は、インフルエンザ等の感染症はオーラルケアで感染リスクを下げられるとして、感染対策にオーラルケアをぜひ加えていただきたいと話しました。

【第2部】
・「歯科衛生士によるブラッシング講座」 岩切美奈氏

 岩切氏は、「歯周病」にならないためにはセルフケアとプロケアの両方が大切と説明した上で、手磨きのポイントとして、歯ブラシの当て方・歯周病になりやすい部位を紹介した他、便利な電動歯ブラシの使用方法などを伝えました。

 ※シンポジウムの模様は、日歯YouTubeチャンネルからアーカイブ動画をご覧いただくことができます。