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プレスリリース・活動報告

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令和5年度制度・予算で厚生労働省に要望書を提出

右から柳川忠廣副会長、島村大厚生労働大臣政務官、佐藤保副会長、瀬古口精良専務理事

 日本歯科医師会は8月10日に島村大・厚生労働大臣政務官を訪問し、後藤茂之・厚生労働大臣宛てに国民皆歯科健診の具現化に向けた対応など令和5年度制度・予算に関する要望書を提出し、理解を求めました。

 要望には、柳川忠廣副会長、佐藤保副会長、瀬古口精良専務理事が出席。佐藤副会長が、適切な歯科医療提供体制を構築し、国民の健康増進および健康寿命の延伸を図るための重点要望項目として、①国民皆歯科健診の具現化に向けた対応、②病院における歯科の充実および人口減少地域等における歯科医療体制の確保、③歯科におけるDX推進の支援、④歯科衛生士および歯科技工士の人材確保、⑤市場価格に左右されない歯科用材料の保険導入の推進、⑥「全身の健康と口腔の健康に関する研究」と「科学的根拠の更なる集積、発信」の推進―について説明しました。

 特に①では、骨太の方針2022に明記された「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」について、口腔の健康と全身の健康との関連性が明確に、ライフステージに応じた生涯に亘る切れ目のない歯科健診の充実による歯科医療と口腔健康管理の徹底で、健康寿命の延伸を図る施策の整備をかねてより要望してきたと強調しました。
 その上で、具体的な課題として、▽健康増進事業における歯周疾患検診等の充実▽成育基本法を踏まえた、妊産婦への歯科健診に対する予算措置▽文部科学省と連携した大学における歯科健康診査の充実―を中心に、国民皆歯科健診の具現化に向けたロードマップの整備を求めました。

 また②では、新興感染症対応を視野に、病院における歯科の配置促進および歯科医療職種の増強が求められていることや、増加が予想される、疾病や障がいを抱え、地域の歯科診療所では対応が困難な患者の受け皿としての病院歯科への期待は大きいと述べました。さらに、中山間地等の人口減少地域では、歯科医師の高齢化や後継者不足のために歯科医療提供に支障をきたす可能性があり、医師、看護師等と同様に、歯科においても全国の状況把握の上で、病院歯科の充実や訪問歯科医療の強化等、地域に応じた対策を講じてほしいとしました。

 ③では柳川副会長が、国が進めているデータヘルス改革に向けて、とりわけ歯科においては電子カルテ情報の標準化やHL7FHIR規格への対応が遅れていることから、厚生労働省が主体的に関与し、日本歯科医師会、関係学会、JAHIS等が連携することで標準的なデータ項目や仕様について早期に対応するとともに歯科医療機関が実装する際の財政的支援を求めました。

 ⑥では佐藤副会長が、骨太の方針2022には「全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の更なる集積と国民への情報提供」が明記された他、循環器病対策推進基本計画には「歯科疾患等の循環器病以外の疾患が循環器病の発症や進行に影響を与えうる」、「幅広く循環器病の対策を進めるための研究を推進する」と明記されているが、同研究は、いまだに実施の動きが見られず、情報共有も不足していると指摘しました。その上で、医科等と協働しての研究推進は国民皆歯科健診の具現化に向けてのエビデンス構築にもつながることから、研究体制の構築を求めました。

 島村厚生労働大臣政務官からは、病院歯科の充実に向けて、安定経営のための方策や、具体的なデータ収集も必要ではないかなどの意見がありました。

※ 肩書きなどは令和4年8月10日時点のものです。

(資料1) 令和5年度(2023年度)制度・予算要望書
(資料2) 令和5年度制度・予算に関する重点要望項目(厚生労働省関係)