PC表示に切り替えるスマートフォン表示に切り替える
  • HOME
  • プレスリリース・活動報告|No.050 「健康寿命の延伸と歯科医療」読売新聞社と勉強会を開催

プレスリリース・活動報告

プレスリリース・活動報告プレスリリース・活動報告

「健康寿命の延伸と歯科医療」読売新聞社と勉強会を開催

講演する堀憲郎会長

 日本歯科医師会は読売新聞社とともに5月29日(火)、読売新聞東京本社で「健康寿命の延伸と歯科医療」をテーマに勉強会を開催しました。日本歯科医師会の堀憲郎会長をはじめ双方の関係者約25人が参加しました。

 勉強会では、日本歯科医師会の堀会長が歯科界を取り巻く環境の変化と、課題克服への歴史的な取り組みについて講演し、「日本の公的医療保険制度の歴史と歯科」「歯科が目指してきた方向性と目標」「過去10年の歯科界の対応 具体的な取組みと成果(エビデンスの収集と発信、8020運動、がん連携の推進、糖尿病及び認知症と歯科の関係の整理、4つの好事例)」「将来へ向けて(地域包括ケアと歯科医療、医療費抑制への試算、いわゆる『口腔ケア』の整理)」などの項目について説明しました。

講演に聴き入る参加者

 堀会長は、歯科医療と口腔健康管理の充実が、全身の健康の向上につながる複数のデータを提示。また歯科の介入によって患者のQOLが劇的に向上した事例を3つの動画等で紹介し、歯科医療を取り巻く厳しい状況を踏まえつつ、地域包括ケアシステムの中で、在宅歯科医療、医科歯科連携、多職種連携を推進することで、国民の口腔機能の維持向上を図り、健康寿命の延伸に貢献していく方向性を示しました。

 具体的な取り組みとして、日本歯科総合研究機構がNDBデータを用いて分析した歯数と医科医療費との関係やがん診療に関わる医科歯科連携の状況、全国4カ所の多職種連携の好事例を示しました。また、医療費抑制の試算として、大阪警察病院のデータを基に、全ての病院で周術期口腔機能管理を徹底すると、がんの年間の医療費を約15%(6千億円)規模で削減できる可能性があることを示唆しました。

勉強会終了後も活発に行われた意見交換

 参加した読売新聞社の関係者からは、「患者はどうやって自分に合った歯科医を選べばよいのか」「歯科の専門医制度の進捗状況」などの質問があり、意見交換を行いました。

 日本歯科医師会では、国民の歯と口の健康と全身の健康を維持向上するため、歯科啓発情報の国民への伝達役であるマスメディアの関係者との懇談会やプレスセミナーを開催してきましたが、昨年からより直接的な情報提供や意見交換をするべく新聞社との勉強会を個別に開催しており、今後も多くのマスメディアとの勉強会を企画していく予定です。

※ 口腔健康管理は、歯科医療職の関与程度から「口腔機能管理」「口腔衛生管理」「口腔ケア」に大別されます。