2021年01月28日
新型コロナウイルスを含む感染症対策の基本に「マスク着用を含む咳エチケット」があります。
しかし、マスクをしていると、顔が隠れている安心感から表情筋を動かさなくなり、口角が下がり、頬のたるみやしわ、ほうれい線が目立ってくることが心配されます。
また、喋らなくなることで口の周りの筋肉を動かさなくなり、その筋肉が衰えて、「オーラルフレイル」につながる恐れがあります。
「オーラルフレイル」は、口の機能低下、食べる機能の障がい、さらには心身の機能低下までつながる負の連鎖に警鐘を鳴らした概念です。オーラルフレイルを予防するには、口の“ささいな衰え”に気づき、健康な状態へ戻すための適切なケアとトレーニングをしていくことが重要です。最近、むせる、食べこぼす、滑舌が悪くなった、やわらかいものを好んで食べるようになったという方は、かかりつけ歯科医に相談しましょう。
また、マスクをすると息苦しさから口呼吸になりやすく、口が開いて乾燥しがちです。乾燥すると唾液の分泌量が減少して口の中の細菌が増え、口臭が強くなったり、むし歯や歯周病リスクが高くなることの他、誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があります。
このように、唾液には食べ物の消化を助けるだけでなく、歯や歯間に付着した食べかすやプラーク(歯垢)を洗い流し細菌の増殖を抑える作用、飲食により酸性に傾いた口の中のpHを中和させてむし歯を防ぐ機能、いろんな刺激から粘膜を保護する働きなどがあります。
日本歯科医師会ではこのほど、オーラルフレイル対策、唾液の分泌の促進などを目的とした短時間でできる体操を「お口・舌の動きをスムーズにする」「飲み込むパワーをつける」「噛むパワーをつける」「滑舌をよくする」「舌のパワーをつける」の5つの効果別に紹介した「オーラルフレイル対策のための口腔体操」をホームページに掲載しました。
お口の健康は全身の健康につながりますので、普段の生活に口腔体操を取り入れてみてはいかがでしょうか。
※印刷用のデータ(PDF形式)も掲載しています
■日本歯科医師会HP
・オーラルフレイル対策のための口腔体操
https://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/
・印刷用PDF
https://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/pdf/print.pdf
・関連動画…日歯8020テレビ「口腔体操でオーラルフレイル予防」
https://www.jda.or.jp/tv/97.html