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プレスリリース・活動報告

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今から始めるオーラルフレイル対策~私が守る! 100年health~
第27回口腔保健シンポジウムをハイブリッド形式で開催

     シンポジウムの様子

 世界口腔保健学術大会記念「第27回口腔保健シンポジウム」(主催:日本歯科医師会、協賛:サンスター株式会社)が7月9日、「今から始めるオーラルフレイル対策~私が守る! 100年health~」のテーマで、会場参加とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
 主催者挨拶で、日本歯科医師会の柳川忠廣副会長は、安倍晋三元首相のご逝去に、哀悼の意を述べました。また、人生100年時代において、健康寿命の延伸が重要であるため、今後も国民の健康増進に取り組んでいきたいと話しました。
 シンポジウムは3部構成で、司会は、元NHKエグゼクティブアナウンサーの石澤典夫氏が務め、パネリストには、東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長の平野浩彦氏、日本歯周病学会専門医の大月基弘氏、日本歯科医師会常務理事で山口県歯科医師会会長の小山茂幸氏、タレントの宮崎美子氏が登壇しました。
 シンポジウムの冒頭、小山氏は平均寿命と健康寿命の差は約10年あり、健康から要介護になるまでにはフレイル(身体の虚弱)があって、その入り口にオーラルフレイルがあることを紹介。オーラルフレイルを防ぐには歯の喪失の予防や口腔機能の維持が重要と説明しました。

  • 第1部「健康で噛める歯を残す! 歯周病予防最前線」

  •       大月 基弘 氏

     大月氏は、日本人が歯を失う原因の第1位である歯周病について、そのメカニズムを解説した他、糖尿病、心血管疾患、誤嚥性肺炎、認知症などさまざまな疾患との関係性を説明しました。
     その上で、歯周病治療も進んでおり、プロフェッショナルケアとセルフケアで7~8割程度歯周病を治すことができると話しました。加えて、オーラルフレイルにならないように歯周病ケアをしっかり実践し、かかりつけの歯科医院に定期的に通院し、口腔の状況を把握すること、日々のセルフケアを若いときから始めることが大切であるとして、重症の場合には歯周病の専門医に相談することを薦めました。
     また、サンスター財団の歯科衛生士の塚原莉奈氏が登壇し、模型を使用して歯みがきの方法を丁寧に説明しました。

    • 第2部「なぜお口の機能が大事なのか? お口の機能って何? 口腔機能維持最前線」

    •        平野 浩彦 氏

       平野氏は、噛むためには側頭筋や咬筋、噛むことに加えて飲み込むためには舌の役割が非常に重要であると話しました。さらに「オーラルフレイル」がフレイルの始まりで、口腔機能が衰えることにより、食欲の低下、噛める食品が減少し、それに伴い栄養状態のバランスが乱れ、身体機能が低下して、社会活動ができなくなり、最終的に寝たきりへとフレイルドミノが始まると説明しました。フレイルの状態の時に「自分ごと化」し、それぞれ対策を講じてほしいと述べました。また、オーラルフレイルは肺炎や社会的孤立、要介護の入口であるとし、歯を残すことと同時に失った場合には義歯などで補い、口腔機能を維持していくことが非常に重要であると話しました。

       

      • 第3部「オーラルフレイル対策の実践」

      •        小山 茂幸 氏

         ここから、歯科衛生士で山口県周南市健康医療部健康づくり推進課の金本博美氏も加わって進行しました。小山氏は、公的機関と民間事業者、それぞれが持つ特性や知見を連携・融合させ、「健康と笑顔は口元から」を合言葉に、口腔衛生意識の向上を通じて山口県民の健康寿命の延伸を応援する「健口スマイル推進事業」を紹介しました。

         また、金本氏は山口県周南市の取り組みについて介護予防教室でDVDを活用して口腔体操等を実施したことを説明し、口腔体操体験(あいうべ体操)、舌圧トレーニング(ペコぱんだ)について、宮崎氏を交えて実演しました。 

                金本 博美 氏

         小山氏は、口腔体操などを継続することで、口腔機能の向上につながると話すとともに、ほとんどの参加者で検査値が向上したと説明しました。また、オーラルフレイル対策のポイントとして、「通いの場」などで楽しく主体的に継続的に実施していくことが大切と話しました。

         最後に宮崎氏は、シンポジウムを通じてオーラルフレイルについて「自分ごと」として再認識したと述べるとともに、「自分で未来を良い方向に変えていくことができる。オーラルフレイル対策のための具体的なトレーニングについて、少しずつできることに取り組んでいきたい」と話しました。

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                 宮崎 美子 氏

         なお、シンポジウムの開始前には、歯科医師による「歯科相談」や、洗口体験、パタカラアプリ体験などの催しものが行われました。本シンポジウムの模様は、(1)7月31日付読売新聞全国版朝刊(2)7月中に日歯HPに動画を掲載する予定としていますので、ぜひご覧ください。