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プレスリリース・活動報告

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コロナ時代、健康管理の鍵は〈オーラルフレイルの予防〉
第26回口腔保健シンポジウムをオンラインで開催

 世界口腔保健学術大会記念「第26回口腔保健シンポジウム」(主催:日本歯科医師会、協賛:サンスター株式会社)が7月4日(日)、「コロナ時代、健康管理の鍵は〈オーラルフレイルの予防〉」のテーマの下、オンラインで開催されました。
 冒頭、日本歯科医師会の柳川忠廣副会長は、オーラルフレイルとは何かを始め、オーラルフレイルと全身のフレイルとの関係などについてシンポジウムを通して学んでいただきたいと話した上で、「今後も国民の皆さんの健康増進と健康寿命の延伸に力を尽くしていきたい」と挨拶しました。
 シンポジウムは2部構成で、第1部、第2部ともパネルディスカッション形式で進行。第1部は、読売新聞東京本社医療部長の本間雅江氏がコーディネーターを務め、パネリストとして、医師で東京大学高齢社会総合研究機構機構長、未来ビジョン研究センター教授の飯島勝矢氏、歯科医師で東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長・研究所研究部長の平野浩彦氏、元マラソン選手の有森裕子氏が登壇しました。第2部は、歯科医師で神奈川県歯科医師会常任理事の加藤尊巳氏と歯科衛生士でサンスター財団附属千里歯科診療所の野田めぐみ氏が加わり進行しました。

▼【第1部】「フレイル/オーラルフレイルを知る」
       「あなたは大丈夫?セルフチェック体験」

 医科の立場から飯島氏は、フレイルとは、加齢に伴う心身機能の低下で可逆的であることや体力だけではなく精神面・社会性も含むことと説明し、社会的なつながりを失うことがフレイルの最初になると強調しました。そしてコロナ禍が影響した「コロナフレイル」として、外出回数の減少、食事の変化などにより、サルコペニア(筋肉減弱)の進行、フレイル状態の悪化になるとしました。
 その上で、超高齢社会において、健康寿命の延伸を実現するためには栄養管理は重要で、そのためにはしっかり噛んで食事することが大切と話しました。

 歯科の立場から平野氏は、オーラルフレイルの概念について、口腔機能低下、食べる機能の低下、さらには心身の機能低下までつながる負の連鎖に警鐘をならしたものと述べた上で、オーラルフレイルは可逆的で、トレーニングにより口腔機能の回復だけでなく認知機能(注意喚起)などにも効果があることを説明し、些細な口の衰えを年齢のためと考えるのではなく、かかりつけの歯科医師に相談するよう伝えました。また、コロナ禍で歯科医療機関への受診を躊躇する国民に対して、歯科医療機関においては、コロナ禍前よりしっかりした感染対策を行っており、安心して受診するよう呼びかけました。

 また、視聴者が参加する形で、フレイルチェックとして「指輪っかテスト」「イレブン・チェック」、オーラルフレイルの「リスクチェック」「咬筋側頭筋チェック」を行いました。

▼【第2部】「オーラルフレイルの予防・最新情報」

 加藤氏は、オーラルフレイルの認知度は低いものの、実際にオーラルフレイル状態の人は少なくなく、定期的に歯科医療機関で診てもらうことの大切さを説きました。さらにオーラルフレイルの改善プログラムとして「グー・パー・ぐるぐる・ごっくん・ベー」体操や、飲み込む力を鍛える簡単なトレーニング「開口訓練」、滑舌を良くする訓練「無意味音音節連鎖訓練」を紹介し、有森氏と一緒に視聴者が実践しました。

 野田氏は、歯ブラシや、歯間ブラシ等の補助清掃用具の選び方や交換時期、正しい磨き方を説明した後、歯科医院はむし歯を治療するだけではなく、お口の機能低下の予防、改善する場所であるとして、定期的な歯科医院への受診を促しました。

 最後に、人生100年時代を自分らしく輝き、豊かに過ごすために欠かせない口腔機能を維持することについて、有森氏は「これまで固定観念だけで、自分の健康は良しとしてきたが、本シンポジウムを通じてフレイル、オーラルフレイルについて知ることができ、今後の人生を前向きに歩むことができる」と述べました。

 なお、シンポジウムの終了後には、歯科医師によるリモート「歯科相談」が行われました。
 本シンポジウムの模様は、①7月31日付読売新聞全国版朝刊②7月中に日歯HPに動画を掲載する予定としていますので、是非ご覧ください。

オーラルフレイルの概念や予防などについて説明するパネリスト

・第26回口腔保健シンポジウム 実施要領
 https://www.jda.or.jp/info/2021_01.html