2023年06月30日
令和4年歯科疾患実態調査の結果(概要)が6月29日(木)に公表され、8020達成者率は51.6%【平成28年(51.2%)】でした。45歳以上で20本以上の歯を有する者の割合は、年代別にみると一部を除いて増加傾向にあり、また、男女別では大差はないものの45~49歳、55~59歳を除いて女性の方が高くなりました。
(%)
平成5年 | 平成11年 | 平成17年 | 平成23年 | 平成28年 | 令和4年 | |
80歳 | 10.9 | 15.3 | 24.1 | 38.3 | 51.2 | 51.6 |
表1 8020達成率の推移
平均現在歯数をみると、平均20歯を保有する年齢群は70~74歳へと前回平成28年(65~69歳)と比較し、より高くなりました。
図1 1人平均現在歯数の経年推移
歯周ポケット(4mm以上)を有する者の割合は年代が上がるにつれて増加しており、65~74歳は最も高い56.2%、75歳以上では56.0%でした。一方、15~24歳においても2割程度存在しており、早期からの歯周病対策が引き続き重要であることが改めて示される結果となりました。
図2 歯周ポケット(4mm以上)を有する者の割合の経年推移
また、過去1年間に歯科検診を受診している者の割合は58%でした。歯科健診が義務化されていない働き盛り(30~54歳)では5割に届いていない状況であり、義務化されていない働く世代への歯科健診制度の必要性が改めて確認されました。
その他、歯や口の状態について気になるところを年代別にみると、「冷たいものや熱いものがしみる」が25~29歳で最も高く28.9%、次いで20~24歳で20.6%でした。「歯をみがくと血が出る」は25~29歳15.6%、30~34歳15.8%で、45~59歳でも1割を超えました。また、「口の機能」のうち「噛めないものがある」は65歳から1割を超え、「口がかわく」は75歳から1割を超えていました。働く世代へのう蝕対策、歯周病対策を始め、高齢世代への口腔機能対策のさらなる推進の必要性が示唆されました。
上記調査結果を踏まえ、日本歯科医師会としては、厚生労働省の歯科口腔保健施策に加え、歯周病対策のさらなる促進、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診の充実・実現等を含めた、生活や療養を支えるための歯科口腔保健医療の提供体制の構築に注力していきます。
・令和4年歯科疾患実態調査の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf