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プレスリリース・活動報告

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新型コロナウイルスへの対応状況、歯科医師のワクチン接種など意見交換
日本歯科医師会と米国歯科医師会がオンライン会議

写真左は米国歯科医師会のDr. Daniel Klemmedson会長、写真右は堀会長ら日本歯科医師会役員

 日本歯科医師会(以下、日歯)は9月1日、米国歯科医師会(以下、米国歯)とオンライン会議を開催し、日米両国における新型コロナウイルス感染症への対応状況などについて意見交換しました。会議には日歯から堀憲郎会長、佐藤保副会長、尾松素樹常務理事、冨田滋理事、佐藤真奈美理事ら(8名)、米国歯からDr. Daniel Klemmedson会長、Dr. Chad Gehani前会長ら(12名)が出席しました。

 冒頭挨拶で堀会長は、新型コロナウイルス感染症について、日本では欧米のような強制力のあるロックダウンの権限が国になかったこともあり、日歯は「国民と歯科医師、スタッフの健康と生命を守りつつ歯科医療提供体制は維持すること」を基本方針に掲げて対応し、これまで堅持することができたと述べました。さらに歯科治療を通じての感染拡大の事例報告は、少なくとも昨年一年はなく、歯科臨床現場における日頃からの高いレベルでの感染防止策の結果として評価されているとしました。
 新型コロナワクチン接種については、国の特例的措置により、歯科医師によるワクチン接種が可能になったことを紹介し、これまでに1万9千人の歯科医師が必要な事前研修を修了し、6~7月で延べ1万2千人の歯科医師がワクチン接種に従事するなど医療界挙げて危機克服に取り組んでいることを伝えました。
 さらに日本では第5波が、これまで以上の規模で拡大しており、入院できず自宅療養する感染者も増加しているため、自宅療養者の口腔健康管理の徹底が大きな課題との考えを示しました。

 Dr. Dan Klemmedson会長は、新型コロナウイルスの世界的大流行の中、歯科医療は、起きている現実に順応し、患者とチームを安全に保つためにあらゆる困難に立ち向かってきたことを説明しました。その上で、ソーシャルディスタンスの生活が1年以上続いているが、われわれが大切な国際的な同僚として、しっかりとつながり連携することが重要だと確信していると、日米歯科医師会の関係の重要性を強調しました。さらに、今回のパンデミックが我々に教えてくれたことを、患者から米国の仲間の歯科医師、そして大切な国際的な同僚に共有することで、世界の歯科医療をこれまで以上に強固にすることができると語りました。

 会議では、尾松常務理事が「コロナ禍における歯科治療に関する国民向け情報発信」「日本歯科医学会と連携した歯科医師向けの留意事項の発信」「コロナ禍における診療指針の策定」「歯科医療機関の経営状況・感染状況の調査結果」「歯科医療機関への独自の財政支援策」など、これまでの取り組みを説明しました。
 今後の課題には、新型コロナウイルスの変異株や入院ベッド数が足りずやむを得ず自宅で療養している患者へのオンライン指導などを挙げ、新しい情報・知見を加えた指針の改訂を検討していることを伝えました。

 Dr. Chad Gehani前会長は、コロナ禍において①エビデンスに基づいた学術的リソースとデータの提供、②変化するビジネスおよび安全プロトコルに対処するためのガイダンスおよびツールキットの発行、③米国政府機関内での口腔衛生の提唱(連邦政府からの救済パッケージの交渉)、④PPEの提供(N95マスク10万枚以上、計83万3千枚以上)―を中心に米国内の歯科医師を支援してきたことを説明しました。特に歯科医療関係者の感染に関して、歯科は感染のリスクの高い職業とされているが、感染率は米国の他の医療専門家の感染率をはるかに下回っていることを強調し、米国内においても感染防止策の有用性を話しました。

 質疑応答では、米国での歯科医師のワクチン接種やワクチンを接種しない若人についての意見交換を行い、両国歯科医師会は、今後も新型コロナウイルス感染症への対応なども含めて連携を強化していくことを確認し、1時間の会議を終えました。

 なお、日歯はドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの各歯科医師会とのWEB会議を9月中に順次開催し、意見交換の予定としています。