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プレスリリース・活動報告

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厚労相、文科相、五輪相に要望書提出
令和2年度制度・予算関係

左から、佐藤副会長、堀会長、根本厚労大臣、海野理事

 日本歯科医師会(以下、日歯)の堀憲郎会長と佐藤保副会長、海野仁理事は6月25日、根本匠・厚生労働大臣を訪ね、適切な歯科医療提供体制を構築し、国民の健康増進および健康寿命の延伸を図るため「令和2年度制度・予算要望書」(資料1)を手交し説明しました。
 要望書の説明に先立ち堀会長は、「骨太の方針2019」の記載に触れ、「歯科、口腔の重要性に関する内容が、前年以上に充実した。特に“フレイル対策への歯科からの関わり”と“介護、障害福祉分野での歯科からの連携”の視点が入った」と高く評価していることを伝え、その方向性を国と共有し令和2年度診療報酬改定を含めて、今後もしっかり対応していく考えを示しました。

 また、昨年より年2回ペースで、日歯役員と厚生労働省関係6局の課長、室長級が一堂に会して開催している「歯科口腔保健推進に関する意見交換会」のさらなる充実に期待を寄せました。さらに第3次堀執行部で取り組む2040年を見据えた歯科ビジョンの構築に向け、厚生労働省に協力を要請しました。
 引き続き、佐藤副会長が重点要望項目(資料2)について、歯科のない病院と地域歯科医師会との連携推進や、生涯にわたる歯科健診の充実などの課題を詳細に説明して理解を求めました。
 最後に、堀会長は歯科界、医療界の喫緊の課題として「歯科衛生士、歯科技工士の人材不足への対応」を挙げ、廃校が続く養成校への即効性、実行性のある支援に強い期待を示しました。また行政や病院など、歯科医師の働く場の拡充と、そのための一貫した研修体制の構築に向けた対応を要望しました。

左から、堀会長、柴山文科大臣、柳川副会長、白須賀文科大臣政務官

 6月18日には、堀会長、柳川忠廣副会長が文部科学省を訪問し、同要望書を柴山昌彦・文部科学大臣に手渡し説明を行いました。白須賀貴樹・文部科学大臣政務官も同席しました。
 初めに、堀会長が健康寿命の延伸に向けて高まる歯科への国民の期待に応えるために、新執行部では2040年を見据えた新しい歯科ビジョンを構築することを報告。その中で歯科医師の教育や研修のあり方などを議論する上で、文科省の協力が必要であるとしました。
 引き続き、重点要望項目(資料3)の、1.歯科医師の働く場の拡大とそのための一貫した研修の確立、2.歯科衛生士と歯科技工士の人材確保の2つについて、堀会長が総論を、柳川副会長が各論をそれぞれ説明しました。
 1について、堀会長は歯科医師の大部分は診療所の開設者か管理者になるが、近年の歯科へのニーズ増大により、行政歯科医師や病院歯科医師等、働く場の拡充が求められるとして、多様化するニーズに適した卒前教育、卒後教育を含む一貫した研修体制の構築を求めました。
 柳川副会長は、医科歯科連携のスキル修得などの問題に触れた上で、▽新しいニーズ(在宅歯科医療、地域包括ケア、スポーツ歯科など)や行政歯科医師、病院歯科医師の充足に対応する教育体制整備の支援▽例えば共用試験を国家試験の一部とするなど、座学偏重の解消も含めたキャリアパスの慎重な議論▽歯科医師の働き方や歯学教育のコアカリキュラムの改定を踏まえた議論―を要望しました。
 2について堀会長は、歯科衛生士、歯科技工士の養成校が定員割れ等で廃校が続くなど人材不足問題は歯科界、医療界の喫緊の課題と強調。文科省認可の養成校も40校以上あるため、同省の支援に期待感を示しました。
 柳川副会長は、「非就業歯科衛生士の再就職の意向として、出産、子育てを終えた後の復職希望者が多い」「新卒歯科衛生士の求人倍率が21倍」などの状況を説明し、看護師並みの人材確保に関する予算の確保と制度の構築を要望しました。
 また、柳川副会長は、スポーツ歯科について、「学校教育現場におけるマウスガードの一層の普及」「約500名いる公認スポーツデンティストの国体など各種競技会場への配置に向けた予算措置」に理解を求めました。
 最後に、堀会長は、歯学教育から卒後臨床研修、開業後の生涯研修までの一貫した研修体制を確立し、優れた歯科医師を養成するためには、省庁の壁を越えた議論の場が必要であるとして、「一貫した研修」に関する日歯と文部科学省、厚生労働省、学会等を交えた意見交換の場の設置を提案しました。
 柴山大臣は、歯学教育の充実、キャリアパスの整備、社会の多様なニーズに応える質の高い歯科医師養成、また歯科衛生士と歯科技工士の人材確保のために、厚生労働省と緊密に連携して取り組んで成果に結びつけたいと応えました。

鈴木五輪相(右)

 翌19日には、柳川、佐藤両副会長が、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当の鈴木俊一大臣を訪ねて、スポーツ歯科に関する令和2年度制度・予算要望を行いました。
 重点要望項目(資料4)には、「選手村のポリクリニックで業務にあたる歯科医師等に対する支援」と「1都1道7県の競技会場において、歯科医師の臨場を促進するための支援」を挙げ、理解を求めました。

 

 

 

資料一覧

(資料1)令和2年度(2020年度)制度・予算要望書(公益社団法人日本歯科医師会)
(資料2)令和2年度制度・予算に関する重点要望項目(厚生労働省関係)
(資料3)令和2年度制度・予算に関する重点要望項目(文部科学省関係)
(資料4)令和2年度制度・予算に関する重点要望項目(スポーツ歯科関係)