歯の漂白法の種類
無髄歯(神経を取ってしまった歯)に行うウォーキングブリーチ、および有髄歯(神経を取っていない生きている歯)に行うオフィスブリーチとホームブリーチがあり、これらを組み合わせて行うこともあります。 いずれの漂白法においても多少の後戻りを生じる可能性がありますので、白さを維持するためには定期的に歯科を受診して、チェックとクリーニング、そして必要に応じて再漂白を受けることが大切です。
1.ウォーキングブリーチ(写真13〜15)
無髄変色歯に対する漂白法で、漂白剤(高濃度の過酸化水素と過硼酸ナトリウムのペースト)を歯の中に封入します。濃く変色している象牙質に直接作用させるので、高い漂白効果が期待できます。通常、目的の白さを獲得するまでには、変色の程度によっても異なりますが、漂白剤を数回、新しいものに交換する必要があります。
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2.オフィスブリーチ(写真16〜18)
診療室内で行われる漂白処置法で、過酸化水素を含む漂白剤のペーストを歯面に塗って光線を照射します(写真20)。 1回の所要時間は約1時間程度で、通常3〜6回の通院が必要です。多少知覚過敏を生じることがありますが、通常一時的なものであまり心配することはありません。ただし知覚過敏が強く出てしまった場合には先生に相談して適切な処置をしてもらうと良いでしょう。オフィスブリーチは短時間で白くする処置ですので、漂白効果・後戻りともに個人差が大きいのが特徴です。
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3.ホームブリーチ(写真19〜21)
トレーブリーチングとも呼ばれます。漂白剤として用いられる10%過酸化尿素ゲルは、かつて歯肉炎・歯周炎の治療薬として研究されていたものです。これを漂白用トレー(歯型をとって個人個人に合わせて作られた漂白専用のマウスピース、写真22、23)の内面に入れて歯に被せると過酸化尿素が徐々に分解して低濃度(傷口に塗る消毒薬のオキシフル、オキシドールと同程等)の過酸化水素が発生します。一日2時間のトレー装着を2週間続けるのが基本ですが、アメリカでは6カ月間連続装着しても安全であることが確認されています。効果の予知性が高く、作用がマイルドで透明感のある自然な白さが得られます。また、オフィスブリーチに比べると後戻りも少ないのが特徴です。
副次的な好ましい効果として、プラークの付着抑制、う蝕の原因となる細菌数の減少、歯周ポケットの減少などが報告されています。多少知覚過敏を生じることがありますが、これも一時的なもので、適切な対応や処置により特に大きな問題になることはありません。
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