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歯科医師とは

歯科医師による歯科保健事業等

歯科医師(会)による健診・予防・指導・啓発も含めた各ライフステージにおける歯科保健事業や社会貢献活動等は年間を通して多数行われています。

妊産婦の方、1・5歳児、3歳児の健診をはじめ、保育園・幼稚園での歯科保健活動、障害のある方や、ご高齢の方を対象とした事業、口腔がん検診等々、中でも学校歯科医が小・中・高等学校で行っている学校歯科健診は広く知られています。

以下、学校歯科医を始め、産業歯科医、警察歯科医の概要を紹介します。

学校歯科医

学校歯科医とは、学校保健安全法で定められている、大学以外の学校で歯科健診や歯科保健指導などの職務を非常勤で行う歯科医師のことです。

下記の表は学校歯科医が実施した小・中・高等学校の歯科健診の結果に基づき文部科学省が行った平成21年度の保健統計調査の結果です。

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学校保健安全法(電子政府の総合窓口 イーガブ)より抜粋
(学校医、学校歯科医及び学校薬剤師)

第二十三条 学校には、学校医を置くものとする。
2 大学以外の学校には、学校歯科医及び学校薬剤師を置くものとする。
3 学校医、学校歯科医及び学校薬剤師は、それぞれ医師、歯科医師又は薬剤師のうちから、任命し、又は委嘱する。
4 学校医、学校歯科医及び学校薬剤師は、学校における保健管理に関する専門的事項に関し、技術及び指導に従事する。
5 学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の職務執行の準則は、文部科学省令で定める。

学校保健安全法施行規則(電子政府の総合窓口 イーガブ)より抜粋
(学校歯科医の職務執行の準則)

第二十三条 学校歯科医の職務執行の準則は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 学校保健計画及び学校安全計画の立案に参与すること。
二 法第八条の健康相談に従事すること。
三 法第九条の保健指導に従事すること。
四 法第十三条の健康診断のうち歯の検査に従事すること。
五 法第十四条の疾病の予防処置のうち齲歯その他の歯疾の予防処置に従事すること。
六 市町村の教育委員会の求めにより、法第十一条の健康診断のうち歯の検査に従事すること。
七 前各号に掲げるもののほか、必要に応じ、学校における保健管理に関する専門的事項に関する指導に従事すること。
八 学校歯科医は、前項の職務に従事したときは、その状況の概要を学校歯科医執務記録簿に記入して校長に提出するものとする。

※参考 日本学校歯科医会HP:http://www.nichigakushi.or.jp/

産業歯科医

産業歯科医とは法律上、一定の有害な業務(塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗(ふつ)化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務)に従事する者に対して健康診断を行う歯科医師のことを言います。

しかし、歯や口腔と全身の健康との関わりが明らかになりつつある近年では、その他の業務に従事する労働者に対しても、定期的な歯科健診を行うことが求められつつあります。

日本歯科医師会では平成21年、「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」を作成し、従来の疾病発見型とは異なる、受診者に必要な類型化を行う支援型歯科健診の実施を勧めています。

また、産業歯科医の知識や技術の向上のため、産業歯科医研修会や産業医学講習会、労働衛生コンサルタント試験受験講習会等の研修会・講習会を実施しています。

働安全衛生規則(電子政府の総合窓口 イーガブ)第十四条より抜粋
(産業医及び産業歯科医の職務等)

5 事業者は、令第二十二条第三項の業務に常時五十人以上の労働者を従事させる事業場については、第一項各号に掲げる事項のうち当該労働者の歯又はその支持組織に関する事項について、適時、歯科医師の意見を聴くようにしなければならない。
6 前項の事業場の労働者に対して法第六十六条第三項の健康診断を行なつた歯科医師は、当該事業場の事業者又は総括安全衛生管理者に対し、当該労働者の健康障害(歯又はその支持組織に関するものに限る。)を防止するため必要な事項を勧告することができる。

警察歯科医

警察歯科医とは、大規模災害や事故・事件などにより著しく損傷した遺体の身元を確認する際、歯科所見によって確認に協力する歯科医師のことを言います。

昭和60年8月に起きた御巣鷹の尾根(群馬県)での日航ジャンボ機墜落事故の際、歯の所見が犠牲者の身元の特定に役立ったことを契機に、歯牙の特徴による遺体の身元確認を始め、身元確認作業における歯科医師の役割が重要視されるようになりました。そして、全国各地で警察歯科医の組織が発足されるようになり、今では警察だけではなく自衛隊や海上保安庁と連携体制を構築するなど、歯科医師会による災害時に備えた活動や、身元不明遺体の歯科所見による確認活動が積極的に行われています。

日本歯科医師会では大規模災害発生時に、身元確認作業に限らず歯科医師として果たすべき役割について考え、平成22年に「大規模災害時の歯科医師会行動計画」を作成するなど、警察歯科医活動に関する様々な取り組みを行っています。