2017年7月14日
世界口腔保健学術大会記念「第23回口腔保健シンポジウム」(主催:日本歯科医師会、協賛:サンスター株式会社)が7月8日(土)、「知って得する健康寿命の話~全身に影響する歯周病!医科歯科最前線~」のテーマの下、449名の参加を得て都内のよみうり大手町ホールで開催されました。
シンポジウムの冒頭、日本歯科医師会の柳川忠廣副会長が挨拶に立ち、「8020運動」「オーラルフレイル」などの取り組みを紹介するとともに、歯と口の健康が全身の健康の保持・増進に寄与していることなどを説明しました。
講演Iでは、生活習慣病、健康寿命に関わる医科の立場から、益崎裕章・琉球大学大学院内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)教授が「あなたの脂肪を希望に変えるヒント」と題して、肥満の歴史やそのメカニズムを解説するとともに、腸内環境と全身との関係について説明。その上で、「ダイエットとは減量ではなく、食べること。「食」という字は「人」を「良」くすると表すものであり、身体にとって良いものを積極的に摂って健康長寿を達成し、健やかに生活してほしい」と呼びかけました。
講演IIでは、口腔衛生、予防歯科学に関わる歯科の立場から、西村英紀・九州大学大学院歯学研究院副研究院長・教授が「よく噛んで食べて健康長寿」と題して、歯周病と糖尿病の不思議な関係を、栄養状態と免疫力等を取り上げて解説。よく噛み味わって食べるほど、インスリンがよく出て糖分が効果的に筋肉に取り込まれることから、「壮年期では、定期的な歯科治療によって体内の過剰な炎症を抑えることが重要。高齢者などでは可能な限り栄養の経口摂取をサポートすることが、筋力低下の予防に役立つ」などと説きました。
お口のセルフケア実践講座では、田野ルミ・埼玉県立大学保健医療福祉学部講師が歯科衛生士の金子真希氏(一般財団法人サンスター財団予防事業部東日)によるデモンストレーションを交えながら、実用的なセルフケアを解説。来場者と一緒に唾液腺マッサージを行いました。
アナウンサーの渡辺真理氏をゲストに迎えて行ったミニトーク「愉しく話す!おいしく食べる!健康とオーラルケア」では、渡辺氏が口腔内環境の重要性などの歯に関する自身のエピソードを披露しました。
引き続き行われたパネルディスカッションでは、コーディネーターに南砂・読売新聞東京本社常務取締役調査研究本部長を迎えて、益崎氏、西村氏、渡辺氏が「知って得する健康寿命の話」をテーマに活発に意見交換するとともに、来場者から寄せられた質問に回答しました。
また、シンポジウムの開演前には、歯科医師による「歯科相談コーナー」の他、デンタルリンス体験や口臭チェックなどの催しが行われ、来場者を楽しませました。
なお、本シンポジウムの模様は、7月29日付読売新聞全国版朝刊に掲載予定の他、日本歯科医師会 HP(http://www.jda.or.jp/)の「シンポジウム動画」コーナーで配信する予定です。