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  • プレスリリース・活動報告|No.009 熊本地震に係る日歯の対応(記者会見)

プレスリリース・活動報告

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熊本地震に係る日歯の対応
~ 日本歯科医師会 記者会見 ~

 日本歯科医師会は4月21日(木)、歯科医師会館で記者会見を開催し、平成28年(2016年)熊本地震に係る日本歯科医師会を始めとした歯科界の対応状況を報告した。(現地では発災直後から、地元歯科医師による活発な活動が行われているが、詳細は会見時点で報告されていない)

 4月15日(金)に設置した災害対策本部の本部長を務める堀憲郎会長は、熊本地震で亡くなられた犠牲者に哀悼の意を示した上で、発災直後から行政や日本医師会などの関係団体と緊密な情報交換をしながら、現地の被害状況の情報収集や支援体制の確立に努めていることを説明した。また、今回の地震については、火災や津波の被害が少ないことや、避難所(者)や余震の状況から「平成19年の新潟県中越沖地震に似ている」との見方を示した。

 また今後、避難所生活の長期化が予想されることから、「誤嚥性肺炎による震災関連死を防止するためには“口腔ケア”が重要。歯科医師の使命は大きい」と強調し、被災地の歯科医師会と連携を図りながら、引き続き対応していく姿勢を示した。

 柳川忠廣副会長は、福岡県歯が、熊本地震の被災者の歯科保健医療を確保するべく歯科医療従事者チームを編成し、近く被災地に派遣することを報告。「被災地への人材派遣は現場主義が基本となることから日歯は、現地からの派遣要請に備えて、九州地区連合歯科医師会を取りまとめる福岡県歯科医師会に出動を要請した。チームのメンバーは、福岡県歯科医師会会員を始め、県内の大学関係者などで構成する予定」などとし、被災地の支援を強調した。

 歯科保健医療や支援物資の提供等を円滑に実施するための担当者である「災害歯科コーディネーター」に関しては、4月22~24日の3日間、中久木康一氏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科助教)を現地に派遣することを報告。「数日経っても避難所の状況がはっきりしなかったため、災害歯科コーディネーターを派遣して現地の歯科医療のニーズを調べておいた方が良いと判断した。東日本大震災発災時にも活躍し経験豊かな中久木氏を派遣することとした」などと説明した。

 また、4月18日(月)に開催された被災者健康支援連絡協議会の中で日本医師会災害医療チーム(JMAT)への歯科医師等の帯同を要望し、熊本地震の被災現地で医療支援活動を開始しているJMATの鹿児島県のチームに、歯科医師及び歯科衛生士の帯同が決定したことに言及。「鹿児島県の医師会と歯科医師会の常日頃からの連携体制によって、また日歯からの要望も通って、鹿児島県JMATの6チームのうち1チームに、歯科医師1名、歯科衛生士1名が、5月1日(日)まで継続して入ることが決定している」と述べ、この動きが全国の都道府県に広がる契機になることに期待を寄せた。

 熊本県民がかかりつけの歯科医院の稼働状況を確認する一助となるツールとして、熊本県歯科医師会のホームページのトップにグーグルマップを活用した「熊本県歯科医師会災害時マップ」が設置されていることを紹介。▽通常通り診療中▽一部診療中▽診療不可―などに分けて歯科診療所の稼働状況を示していることを説明し、活用を呼びかけた。

  村岡宜明専務理事は、被災現地への支援物資の送付状況について説明。道路状況が改善されつつあることから、4月21日までに第1便として、日本歯科医師会、岩手県歯科医師会、日本歯科商工協会から3万本を超える歯ブラシなどの歯科関係物資を直接、熊本県歯科医師会に送付したことを報告した。さらに、水が出ないなどのインフラ整備の遅れに対応するべく、キシリトールガムの手配をメーカーと連携して進めていることなどを明かした。

 また、避難所など水がない状態での口腔の手入れの方法について、「一例として歯ブラシで汚れを落とすだけでも口腔のケアに有効。日本歯科医師会の国民向けホームページに避難所掲示用のポスターを含め必要な情報を掲載しているので、誤嚥性肺炎を防止するべく同ポスターを活用してほしい」などと呼びかけた。

 会員の被害状況(4月15日17時時点)については、熊本県歯科医師会から診療所の全壊1件、自宅の半壊2件などの報告があったことを伝えた。

 東日本大震災の被災県の歯科医師会として現地対応に当たった経験のある佐藤保副会長は、県庁に設置される災害対策本部の中の医療部会の重要性を指摘。「早い段階で多職種が部会に参加し、連携に協力することが重要。具体的には、自衛隊や県警、消防が毎日公開する避難所数や避難者数を記録し、それを引き継ぐことにより多職種が共有できるツールになっていく」と説明した。