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歯と口に関する故事・熟語

歯亡舌存(しぼうぜっそん)

“歯亡びて舌存す(はほろびてしたそんす)”と訓読します。前漢の劉向(りゅうきょう)の編になる『説苑(ぜいえん)』の中の「敬慎」を原典とします。

「説苑」とは、君主を戒めるために前賢先哲の故事・伝説を20巻にまとめたものです。この「歯亡舌存」の意味は、“歯は強くて堅いが、やがて抜け落ちてしまう。しかし、柔らかい舌は変わりなく機能がはたらく”ことから、「剛強なものは滅びやすく、柔軟性を持つものは残る」ことの例えとされています。「歯堕舌存(しだぜっそん)」も同義語です。

散逸していた『説苑』は、後に北宋の文筆家で、名君と言われた曾鞏 (そうきょう)により復刻されました。

我が国で言うところの「柳に風のごとく」ということかもしれません。自己主張が強く独善的な君主には、民はついていきませんよ、と戒めたのかもしれませんね。

歯に被せる金冠に使用する金属も、また入れ歯の針金も硬すぎると歯根を痛めてしまいます…。

日本歯科医師会 広報委員会

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