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プレスリリース・活動報告

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<人生100年時代>健康寿命の延伸はお口のケアから
~歯周病が与える糖尿病と腸への影響、最新情報~
「第24回口腔保健シンポジウム」を開催

 世界口腔保健学術大会記念「第24回口腔保健シンポジウム」(主催:日本歯科医師会、協賛:サンスター株式会社)が8月4日(土)、「〈人生100年時代〉健康寿命の延伸はお口のケアから~歯周病が与える糖尿病と腸への影響、最新情報~」のテーマの下、427名の参加を得て都内のよみうり大手町ホールで開催されました。

 シンポジウムの冒頭、日本歯科医師会の柳川忠廣副会長が挨拶に立ち、今年が8020運動30周年であることなどを紹介するとともに、オーラルフレイルや、歯科疾患と全身疾患との関わりから健康寿命の延伸には口の健康を保つことが大事であると説明。その上で、今回のシンポジウムでは、歯周病と糖尿病の関係を一歩進めて、歯周病と腸内細菌という新しい知見などを紹介すると述べました。

松久教授

 基調講演では、医科の立場から、松久宗英・徳島大学教授、医師、糖尿病臨床・研究開発センターセンター長が「糖尿病が健康寿命に及ぼす影響~その対策に多職種で挑む~」と題して、一般的に認知され始めた歯周病と糖尿病の関係を解説しました。糖尿病では、さまざまな合併症による健康寿命の短縮が大きな問題で、その原因として、血管合併症、悪性腫瘍に加え、サルコペニア、認知症に起因するフレイルが関与すると説明。また、その予防には生活習慣、特に運動が重要であり、さらに徳島県の「阿波あいネット」を例に挙げ、ICT先進技術を用いた食事療法や運動療法などの新たな取り組みが始まっていることを紹介しました。

山崎教授

 特別講演では、歯科の立場から、山崎和久・新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻口腔生命福祉学科教授が「全身の健康に大切な話 口と腸の切っても切れない関係」と題して、病気と細菌叢の関係について触れた上で、歯周病は口腔内細菌叢の乱れで発症するため、プラークコントロールや口腔ケアが重要であると説明しました。また、口腔内の細菌叢の乱れは全身の健康と腸内細菌叢に悪影響を与え、腸内細菌叢の乱れは、肥満、糖尿病、動脈硬化症、関節リウマチや歯周病など全身に影響を与えることを紹介。口腔と腸管は相互に影響を及ぼすことから、口腔と腸内の双方の環境整備が重要と説きました。

 

 お口のセルフケア実践講座では、歯科衛生士の立場から、サンスター財団の歯科衛生士の金子真希氏、浜頭愛氏がセルフケアとプロフェッショナルケアを説明した上で、「歯磨きのポイント」「唾液腺マッサージの実践」について、デモンストレーションを交えながら解説。来場者も一緒に唾液腺マッサージを行いました。

 スポーツレポーター・タレント、元バレーボール選手の益子直美氏をゲストに迎えて行ったミニトーク「アスリートが考える、お口と身体の健康法」では、益子氏が「学生時代からきちんと歯科治療を受けておけば良かった」「今は予防を心がけている」や、人生100年時代を見据えて「自分の歯で美味しい物をもっと食べたい」などと歯に関する自身のエピソードを披露しました。

 引き続き行われたパネルディスカッションでは、コーディネーターに南砂・読売新聞東京本社常務取締役調査研究本部長を迎え、松久氏、山崎氏、益子氏がパネリストとして登壇。本シンポジウムのテーマについて活発に意見交換するとともに、各パネリストは来場者から寄せられた質問に回答しました。

 また、シンポジウムの開演前には、歯科医師による「歯科相談コーナー」の他、デンタルリンス体験や口腔内細菌チェックなどの催しが行われました。

 なお、本シンポジウムの模様は、8月25日(土)付読売新聞全国版朝刊に掲載予定の他、日本歯科医師会HPの「シンポジウム動画」コーナーで配信する予定です。