日本歯科医師会禁煙宣言 喫煙と無煙たばこの使用、ならびにそれに伴う受動喫煙による健康被害は、がん・心臓病等全身の健康に影響を及ぼすことが明らかになっている。
喫煙は口から行われるため口腔領域に直接的影響を及ぼし、歯周疾患、口腔がん、根面のう蝕、口唇・口蓋裂、歯の喪失、歯や歯肉の着色、口臭など、その被害は多様である。さらに、喫煙は、歯周治療、インプラント、抜歯等の術後治癒に影響し、治療歯の喪失や充填物の着色など主要な歯科治療の効果にも重大な影響を及ぼす。
たばこの消費等が健康に及ぼす悪影響から現在及び将来の世代を保護するため、たばこの使用の中止及びたばこへの依存の適切な治療をすすめることは、保健医療専門職としての基本的な役割である。また、口腔領域は喫煙の悪影響と禁煙の効果を直接確認することが容易であることから、歯科保健医療専門職による喫煙 対策の推進は効果的であり、国民の健康に大きく貢献できるものである。
このような背景をもとに、日本歯科医師会は、国民の口腔および全身の健康とより良い歯科治療を確保するため、喫煙対策が重要な課題であることを認識し、以下に掲げる行動規範を推奨することにより、積極的に喫煙対策を推進することを宣言する。
喫煙対策を推進する保健医療専門職の模範としての役割を担う。
喫煙対策に関する調査とその評価を行い対応する。
施設ならびに行事を禁煙化し、健康に関連する行事に喫煙対策を含める。
日常的に喫煙の状況を尋ね、禁煙の助言と支援を行う。
歯科専門職の教育研修プログラムに喫煙対策を含める。
5月31日の世界禁煙デーの活動に積極的に参加する。
喫煙対策活動のネットワークに参加する。
平成17年5月31日
日本歯科医師会