<3> 腫れている粘膜表面が変化してザラザラしている
a. 白色の変化
乳頭腫
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舌下面に見られる乳頭腫です。
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b. 赤味を伴っている
口腔がん
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口底(下あごと舌の中間にある口の床)に出来たがん腫(扁平上皮がん)です。
所々白く赤味を伴った腫瘤の表面はザラザラして見えます。
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2.えぐれているもの
「粘膜がえぐれている」のは粘膜上皮がなくなっている状態であり、これを「潰瘍」と言います。一言に「潰瘍」といっても、様々な形態があり、要因も単純ではありませんが一言で言えば上皮組織が壊死することにより潰瘍が形成されます。例えばウイルス感染により水疱が形成され、それが破れることでその部分に潰瘍ができます。細菌感染でもおきますし、がんにより形成されることも良く知られています。口の中の「潰瘍」の代表的なものをお示しします。
<1> 小さくえぐれているのが一箇所あるいは数箇所
アフタ
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下唇にできたアフタです。
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<2>小さくえぐれているのがたくさん集まっている
ウイルス性口内炎
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小さな潰瘍が多発しています。 |
<3>広い範囲でえぐれている
難治性潰瘍
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組織学的には悪性像はありませんが、長期にわたって様々な治療に効果がない潰瘍です。強い痛みを伴うことはありませんが、刺激物がしみたりします。 |
尋常性天疱瘡
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舌下面に見られる広範囲な潰瘍は、尋常性天疱瘡という自己免疫疾患によるものです。
通常水疱が破れて写真のような潰瘍を形成します。潰瘍は痛みを伴います。
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<4>えぐれている周囲が硬い
口腔がん
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舌にできた上皮がん(扁平上皮がん)です。
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