守ろう歯の健康!「年に2回以上は、歯科医院でプロフェッショナルケアを受けましょう。」 日本歯科医師協会

制作:日本歯科医師会

  • 日本歯科医師会 副会長
  • 歯科医師
  • 遠藤 秀樹
キーパーソン・メッセージ 日本歯科医師会 副会長 歯科医師 遠藤 秀樹 キーパーソン・メッセージ 日本歯科医師会 副会長 歯科医師 遠藤 秀樹 キーパーソン・メッセージ 日本歯科医師会 副会長 歯科医師 遠藤 秀樹
30代以降は歯ぐきの健康状態を意識。適切なケアの継続で歯周病を予防しましょう。 30代以降は歯ぐきの健康状態を意識。適切なケアの継続で歯周病を予防しましょう。

低年齢化が進む歯周病
重症者が増える30代から予防が必須

歯周病は、歯と歯ぐきの境目に付着した歯垢(プラーク)の中で歯周病菌が増殖し、歯肉などの歯周組織に炎症を起こす細菌感染症です。重症化すると、歯を支えている 歯槽骨しそうこつが破壊されて歯を失うこともあり、日本人が歯を失う原因の第1位となっています。有病率は30代から60代にかけて高く、年代が上がるに従って症状が進行した人の割合が増えます。しかも、近年は低年齢化が進んでいて、10代でも初期症状が見られることから、早期の対処が不可欠です。さらに、重症化する人が増えてくる30代になったら、歯だけではなく歯ぐきの健康状態を意識したケアが求められます。

年代別に見る歯周病の割合

年代別に見る歯周病の割合
厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」

口腔内環境の悪化にとどまらず、
全身の健康に影響を及ぼすことも

お口の中で増殖した歯周病菌が体内に入り込むと、脳疾患や心疾患などのリスクを高め、糖尿病を悪化させるなど、全身の健康を脅かすことが分かっています。妊婦さんの場合は、「早産」や「低体重児出産」も懸念されます。

また、歯周病菌がインフルエンザなどのウイルスが持つ酵素を活性化し、感染や重症化を助長することも明らかになっています。そもそもお口の中の免疫は、IgAという抗体が働き、害を及ぼす微生物を排除してくれる粘膜免疫というシステムで実行されています。しかし、このIgAもお口の中が汚れていれば、敵が多すぎて、防衛が難しくなってしまいます。定期的に歯科医療機関でチェックを受けるとともに、毎日のセルフケアで細菌の塊である歯垢や舌の表面についた舌苔ぜったいを取り除き、お口の中の免疫が十分に働くことができる環境を整えることは、歯周病予防はもちろんのこと、全身の健康維持につながるのです。

歯周病は全身の健康にも影響!

上の前歯と前歯の間

最低でも年2回以上は
プロフェッショナルケアを

歯周病の予防には、歯垢や歯石の除去がもっとも重要です。歯科医療機関では、歯ぐきの健康状態を確認するとともに、歯垢や歯石の除去、一人ひとりの歯並びや歯ぐきの状態に合ったブラッシング指導などを行っています。こうしたプロフェッショナルケアは、年2回以上受けるのが理想的です。

2022年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針2022)」でも、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」が明記されました。人生100年時代、健康寿命の延伸にはお口の健康維持が重要になります。かかりつけの歯科医師を持ち、定期的に受診する意義は、今後益々高まっていくことでしょう。

一方で、コロナ禍以降、歯科医療機関の受診を控える方が少なくないため、本来治療が必要な歯周病やむし歯などの重症化、健康被害が懸念されます。歯科医療機関では従来通り、最新の指針に基づき感染防止対策を徹底していますので、安心して受診してください。適切なセルフケアとプロフェッショナルケアの両輪で、歯周病をしっかり予防していきましょう。

定期的な歯科受診とセルフケアで歯周病予防

歯科医院などでプロフェッショナルケアを受け、それを日々のセルフケアで継続する
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