制作:日本歯科医師会 協力:ライオン




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いきものたちの歯ってどうなっているんだろう?形や本数、生え方や生え替わり……。私たち人間と似ているものから、まったく違うものまで実にさまざまです。自然界に生きるいきものにとって歯は、命をつなぐために大切な機能。だから、歯みがきをしなくても健康を維持できるユニークな仕組みや習性を備えていたりします。今回は、大昔からペットとして、狩猟の相棒として、人間と深く関わってきたイヌの歯に注目!
イヌは生後7か月頃には永久歯に!
イヌは、生後3週間頃から生え始める乳歯が生え揃うのは生後3か月頃。その後まもなく生え替わりが始まり、生後7か月頃にはすべての歯が永久歯になります。時代の目まぐるしい変化を“ドッグイヤー”と表現することがあるとはいえ、イヌの歯の成長はかなりのスピード感ですね!永久歯は42本※1と、私たち人間より10本※2も多く、歯列は小型犬であっても肉食動物そのものです。

イヌはむし歯に強い!
私たち人間のお口の中が弱酸性なのに対して、イヌのお口の中はアルカリ性で、むし歯の原因菌が繁殖しにくい環境です。また、イヌの唾液には、人間の唾液に含まれているアミラーゼという酵素がほとんど含まれていません。そのため、むし歯の原因菌のエサである「糖」が、お口の中に蓄積しにくいのです。こうした理由から、イヌはむし歯になりにくい性質があります。

飼い犬の8割が3歳で歯周病!?
むし歯には強いイヌの大敵が「歯周病」。飼い犬の8割が3歳までに歯周病になることが、米国獣医歯科学会(American Veterinary Dental Society)の研究で明らかになっています。飼い犬の歯周病率が高い理由には、歯垢(プラーク)がたまりやすい歯列や、人間とは違う口内環境があります。アルカリ性のお口の中では、歯垢が歯石になるスピードが人間の約5倍に!ほんの3~5日でできてしまう歯石の表面にはさらに歯垢がつきやすく、歯周病菌が繁殖しやすくなってしまいます。大切な愛犬のお口の健康を守るために、愛犬にも食後や寝る前に歯みがきをしてあげたいですね!

長くて強い「犬歯」ってすごい!!
私たち人間のお口にもある犬歯。切歯(前歯)と臼歯の間にある、菱形のような形をした犬歯は、乳歯から永久歯に生え替わる過程で最後に生えてきます。名前に“犬”がついているものの、イヌと直接関係があるわけではありません。ただし、その存在はとても大きいもの。歯の中で根っこ(歯根)がもっとも長く、強度も高い犬歯は、「噛み合わせの位置」を保ち、「あごの動きを正常に行う」という大切な役割も担っているのです!また歯ぎしりをしたときなど、まずは犬歯が負荷を受け止めて、他の歯に負荷がかかりすぎるのを防いでくれているんですよ♪


「第79回 全国小学生歯みがき大会」が
開催されました!
毎年「歯と口の健康週間」(6月4日~10日)に合わせて開催している「全国小学生歯みがき大会」。子どもたちが生涯健康な歯と口を保てるようにとの願いを込めた、「歯と自分をみがこう」をテーマとする歯科保健教育です。今回は全国と海外を合わせて約25万人の小学生が参加。DVD教材を視聴しながら、歯と歯ぐきの健康を守るための知識や適切なセルフケアの方法、定期健診の大切さなどを、クイズや実践を通して楽しく学びました。

※1 短頭種では本数が少ない場合もあり
※2 第3臼歯(親知らず)4本を含む場合