制作:日本歯科医師会 協力:ライオン




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いきものたちの歯ってどうなっているんだろう? 形や本数、生え方や生え替わり…。私たち人間と似ているものから、まったく違うものまで実にさまざまです。自然界に生きるいきものにとって歯は、命をつなぐために大切な機能。だから、歯みがきをしなくても健康を維持できるユニークな仕組みや習性を備えていたりします。今回は、たれ目チックな顔がキュートなジャイアントパンダの歯に注目!
★基本DATA★
- 食肉目クマ科ジャイアントパンダ属
- 体長:120~150cm
- 体高:70~80cm
- 体重:85~150kg
- 食性:草食傾向が高い雑食性
- 寿命:野生で15~20年
★パンダの食事★
主食は竹や笹の葉、タケノコ。ほかに昆虫やネズミなども1%ほどだが捕食。飼育下ではリンゴやニンジン、サトウキビ、牛乳、パンダ団子(トウモロコシ粉や豆粕の粉、栄養剤を混ぜて蒸したもの)など。

1歳~1歳半で永久歯が生え揃い、頑丈な歯に!
100~200gと人間の手のひらに乗ってしまうほど未熟な状態で誕生する赤ちゃんパンダ。1歳~1歳半で永久歯が生え揃う頃には、ママやパパと同じようにかたい竹や笹を食べられるようになります。歯みがきをしなくても、植物のかたい繊維を噛むことで歯みがき効果が得られ、むし歯になりにくいそうです。
パンダの成長
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誕生~生後2か月
まだ歯は生えていないものの、次第に歯ぐきのボコボコが目立つように。生後6~8週間で目も見えるようになります。
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生後3か月~8か月
よちよちと歩き始める頃から乳歯が生え始め、好奇心も旺盛に。6か月頃には竹の葉や枝を噛んで遊び、竹を食べる練習をします。
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生後9か月~1歳
一般的に9か月頃には離乳。永久歯が生え揃う頃にはバリバリと竹を食べ、食べては寝るパンダらしい(笑)生活になるそうです。
写真3点は楓浜(ふうひん)2020年11月22日生まれ ©アドベンチャーワールド
お口の特徴から「ご先祖様は肉食獣」が定説
犬歯でかたい竹をバリバリ噛み割り、小型の門歯で葉をまとめて噛みちぎり、大きくて平たい臼歯で竹の皮を剥いだり葉をすり潰す。そんなパンダの歯は草食獣と大きく異なり、かといって肉食獣のような鋭い犬歯もナシ。実は、クマのように肉も食べる雑食性の動物と酷似しているため、現在、パンダは「クマの仲間で祖先は肉食獣」というのが定説です。さらに最近の研究では、クマでは退化した前臼歯が発達し、あごの関節が横方向に動く構造になるなど、主食の竹や笹を食べるのに適した進化を遂げてきたことが明らかになっています。

数週間に1回はお腹を壊す、ちょっと切ない悩み!
パンダは、1日の大半をかけて12~16kgもの竹や笹を食べます。でも、そのうち消化できる量はわずか17%にすぎないのだとか。消化管が典型的な“肉食獣タイプ”だからです。肉食獣は、草食獣と比べ腸の長さが短く、繊維質の植物の消化に適さない体をしています。だからとてもたくさんの笹を食べるんですね。ただそんなパンダを悩ますのが、数週間に1回の腹痛。傷ついた腸粘膜を修復するために、粘膜の塊を排出するのですが、これがかなりの痛みを伴うため元気を失いがち。ちょっと気の毒…。

「パンダのたからもの」でお口のトレーニング?
「パンダのたからもの」をご存じですか? 口腔ケアや口腔リハビリに用いるお口と舌のストレッチで、パタカラ体操とも言います。「パンダのたからもの」と10回程度、繰り返し発声することで、滑舌や唾液分泌量の向上、嚥下機能の活性などが期待できます。ではさっそく、理学療法士・川畑智氏によるパタカラ長文に挑戦!「パンダのたからものは、パパパンダからもらったラッパ。歩いてパタパタ、鳴らしてパラパラ。高かったラッパで財布の中は空っぽ」。みなさん、スムーズに言えますか?


「第79回 全国小学生歯みがき大会」
今年も6月1日~10日に開催します!
小学生の歯と口に対する健康意識をはぐくむことを目的に、毎年「歯と口の健康週間」(6月4日~10日)に合わせて開催している歯科保健教育。学習内容を収録したDVDを学校や家庭で視聴して、歯の大切さや役割、しっかり身につけたいセルフケア方法など、生涯健康な歯と口を保つために必要な知識を楽しく学ぶことができます。今年は国内外から約4,600校、約25万人の小学生が参加する予定です!
