制作:日本歯科医師会
- 日本歯科医師会 会長
- 歯科医師
- 堀 憲郎




感染症予防対策を徹底した
歯科医療機関で安心して受診を
歯科医療機関では、日頃から「標準予防策」と呼ばれるマスク、手袋、ゴーグルの装着などを徹底しています。加えて新型コロナウイルス感染症対策として、換気の徹底、歯科医療機関内を密にしないための予約調整、口腔内・外の吸引装置の活用などを講じてきました。それらの対策の結果として、現時点で歯科治療を通じた感染拡大の報告はありません。ただ今後、さらに感染が広がると、自覚症状がない患者さんが来院するリスクが高まることも危惧され、歯科医療機関へは対策の維持と強化をお願いしています。
また、日本歯科医師会は厚生労働省の協力を得て、患者さんが安心して受診できるよう感染防止対策を徹底している歯科医療機関に対して、『みんなで安心マーク』を発行しています。同マークを掲示している歯科医療機関で、安心して受診してください。
なお、痛みなどの急性症状を放置することは重症化につながります。予約を延期しても問題がないかどうかなどは、必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。
日本歯科医師会発行『みんなで安心マーク』
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むし歯の罹患経験は成人で9割超
40歳以上の4割は歯を失う原因にも
日本では歯や口腔の健康に対する意識が年々高まる中、子どものむし歯は減少傾向にあります。一方、20歳以上の9割以上がむし歯の罹患経験を有しています。そして、40歳以上の年齢における約4割は、むし歯が原因で歯を失っています。これは、歯の根元にできる「根面う蝕」、歯の詰め物の裏側などにできる「二次う蝕」などのためです。中でも、加齢や歯周病などにより歯ぐきが下がって歯の根元の象牙質が露出すると、根面う蝕が発生する危険が高まります。成人期には歯周病対策だけでなく、むし歯への対策も大変重要です。
さらに、コロナ禍でのマスク生活に伴う会話の減少などによる口腔の乾燥や、在宅勤務などによる食生活の乱れから、むし歯リスクも増加しているので注意が必要です。
むし歯を経験した大人は20歳以上で9割超!

年2回以上は歯科医院などで
プロフェッショナルケアを
むし歯や歯周病で歯を失うことで、口の機能が失われたり低下したり、歯周病菌などが体内に入ることで、糖尿病や認知症、誤嚥性肺炎などにも関係することが分かってきています。歯や口の健康は、病気の重症化予防、そして健康寿命の延伸につながります。
どんなに自分で歯みがきをしても落としきれない汚れがありますし、年齢と共に口の機能はおとろえてきます。年2回以上は定期的に歯科医院などでチェックを受けましょう。
歯みがきやデンタルフロス、歯間ブラシなどによるセルフケアに加え、歯科医院などで行うプロフェッショナルケアを受けることは、むし歯など、歯と口のトラブルの早期発見・早期予防につながります。また、一人ひとりの口の中の状態に合わせた「ブラッシング」などのセルフケアの方法を指導してもらい、それを実践することが大切です。
プロフェッショナルケアとセルフケアで「予防歯科」を実践しましょう
