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啓発活動

8020運動

8020は夢ではない

日本歯科医師会では、高齢になっても豊かに楽しく過ごしていただくために、いつまでも自分の歯で、自分の口から食事をとることが最も大切なことであると考えて、診療所や地域におけるいろいろなお口の健康を保持・増進する活動によって8020運動を推進しています。

8020達成率は、運動開始当初は7%程度(平均残存歯数4~5本)でしたが、厚生労働省の調査(2005年(平成17年)歯科疾患実態調査)では、80歳~84歳の8020達成率は21.1%で、85歳以上だと8.3%にまで伸びました。また、厚生労働省の「健康日本21」では中間目標として8020達成率20%を掲げましたが、2007年(平成19年)に出された中間報告では、それを上回る25%を達成しました。(健康日本21中間報告

その後、2017年6月に厚生労働省が発表した歯科疾患実態調査(2016年調査)では、達成者が51.2%となりました。

歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。生活習慣病と言われるこの病気は、初期を含めると成人の80%以上がかかっています(厚生労働省平成17年歯科疾患実態調査)。日頃の仕事の忙しさに任せて、“暴飲暴食”や“不規則な生活”など、日常の生活習慣の乱れが歯周病につながりますので、毎日のチェックが重要です。

個々の自覚が大事で、予防はやる気から始まります。歯磨きなど毎日の手入れと併せて、口の中の衛生指導などを行っている歯科医院に定期的に通う習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

そして、「食べた後や寝る前に磨く」といった基本的なことも忘れてはいけませんが、例えば、歯磨きなどの正しい方法や、歯磨きなどと併用すると良いオーラルリンス等の使い方など、かかりつけの歯科医師に相談してみてください。

8020健康長寿社会の実現に向けて

現在、日本歯科医師会は、8020運動の次なるステップとして、「8020健康長寿社会」の実現を目指しています。それは、歯周病等の重症化を防ぎ、8020達成者を増やし、健康長寿社会を目指すということです。

8020達成者は非達成者よりも生活の質(QOL)を良好に保ち、社会活動意欲があるとの調査結果や、残っている歯の本数が多いほど寿命が長いという調査結果もあります。

8020が達成できなくても…

仮に8020を達成できなかった方も、しっかりと噛み合い、きちんと噛むことができる義歯(入れ歯)などを入れて口の中の状態を良好に保つことで、20本あるのと同程度の効果が得られます。義歯を含めた歯で食べ物をしっかり噛むことができれば全身の栄養状態も良好になりますし、よく噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減するという調査結果も出ています。いつまでもおいしく食べ続け、健康寿命を延ばすためにも定期的にかかりつけの歯科医院に行き、口の中の健康を保ちましょう。

地域歯科保健活動

地域の歯科医師会では、8020運動の一環として、歯科衛生士、保健師等と協力して行政と次のような活動などをしています。

  • 1歳6カ月児・3歳児歯科健診、予防活動
  • 保育園、幼稚園、学校での歯科健診
  • 職場、地域での歯科健診
  • 休日救急歯科診療
  • 心身障がい者歯科保健活動
  • 在宅寝たきり高齢者訪問歯科保健活動
  • 歯科保健教育、相談事業
かかりつけ歯科医

歯科医療は「食べる」「会話する」という日常の生活を送るうえで欠かせない営みを守る「生きる力を支える生活の医療」です。

気軽に相談に乗ってくれたり、指導をしてくれる「かかりつけ歯科医」を持ち、定期的に歯の健診を受け、歯を失う原因となるむし歯や歯周病を早期に発見し、早期に治療を受けるように心がけましょう。

また、わからないことがありましたら気軽に聞きましょう。

8020達成のためにはきちんと歯を磨きましょう。
「磨いている」ことと「磨けている」こととは違います。

歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など汚れの残りやすい場所がありますので、歯間ブラシやデンタルフロス等の歯間清掃具を使ってきちんと汚れを落とすことが大事です。

正しい歯の磨き方と歯間清掃具の使い方をかかりつけの歯科医院で教わって下さい。
自分の健康、自分の歯は、自分で守るよう心がけましょう。