印刷する
広場へ > お口の病気と治療 > 口腔習癖(指しゃぶりなど)

下唇をかむ癖(咬唇癖・吸唇癖)

発生率の調査では,下唇をかむ癖は2.2%〜4.8%であり,比較的少ない癖です。しかし,上顎前突(出っ歯)で矯正治療を希望される患者さんには,この下唇をかむ癖が多くみられます。

下唇をかむ癖(咬唇癖)の原因

下唇をかむ癖は,一種のストレスにより起きたり,赤ちゃんに見られる指しゃぶりの代わりに起きます。この癖の発生原因について,「指しゃぶりから移行する」という説や「物を吸う本能説(吸啜反射)」があります。

おしゃぶり癖や指しゃぶりのように,下唇をかむ行為は遊びや心の不安をリラックスさせるという働きがあります。下唇をかむ癖を持つ子どもの保護者へアンケートをおこなうと,「この子は赤ちゃんの時,指しゃぶりをしないで下唇を吸った」というケースが多く,指しゃぶりから下唇をかむ癖に移ることは少ないようです。

下唇をかむ癖の影響

下唇を咬んだり吸ったりすると,上の前歯は前方に傾斜し,下の前歯は内側に傾斜して出っ歯になったり,かみ合わせが深くなり,上の前歯の歯肉をかんで傷がつくことがあります。出っ歯になると,口が閉じにくくなり,口呼吸を引き起こします。

 

上顎前突
(出っ歯)

下唇をかむ癖の指導と治療

出っ歯を矯正治療によって治すと,下唇をかみにくくなるため,この癖がなくなり やすくなります。出っ歯になった状態は,下唇をかむ癖の結果であることを本人に 説明し,その癖をやめるように指導します。

下唇をかむ癖の治療は,下唇を咬まないように,取り外しのできる矯正装置を用います。また,筋力が弱くなった上唇を伸ばす”リップトレーニング”も必要です。
幼児期・学童期の下唇をかむ癖は,出っ歯がひどくなり初めて気がつきます。矯正治療により出っ歯を治すことが必要です。

下唇をかむ癖により生じた上顎前突の治療 乳歯列期

|| 前のページへ || 次のページへ ||

ページトップへ