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14.スポーツ中に歯が欠けてしまった場合の救急処置はどのようにすればよいですか?

事故が起こった場合,まずどの歯が欠けたのかを確認しましょう。欠けた歯が確認できたら,その歯から出血があるか,亜脱臼(ぐらぐら)していないか,この 2 点を調べましょう。

歯が少し欠けた程度で,出血も脱臼もなければ,救急処置を必要としません。そのままプレーを続行して構いません。なお,痛みがひどい場合には,歯科医師より患部に表面麻酔薬キシロカインスプレーあるいはゼリーを塗布して除痛するとよいでしょう。

歯が大きく欠けて,歯髄からの出血がある場合には,プレーを中止して,ガーゼによる圧迫止血を施しましょう。ガーゼに表面麻酔薬キシロカインスプレーあるいはゼリーをしみ込ませておくと,止血効果と除痛効果の両方が期待できます。応急処置後は,速やかに歯科医院を受診して,精密検査と治療を受けましょう。

15.スポーツ中に万一歯が抜け落ちてしまった場合の救急処置はどのようにすればよいですか?

歯が亜脱臼して,今にも抜け落ちそうにグラグラしている場合には,徒手整復にて元の位置に戻す応急処置を行ってみましょう。上手く元の位置に戻せたら,止血と固定を兼ねて,ガーゼを噛ませましょう。ガーゼに表面麻酔薬キシロカインスプレーあるいはゼリーをしみ込ませておくと,除痛効果も期待できます。応急処置後は,できるだけ速やかに歯科医院を受診して,精密検査と治療を受けましょう。

歯が完全脱臼して,抜け落ちてしまった場合には,まず応急処置として,ガーゼを噛ませて,患部の圧迫止血をしましょう。ガーゼに表面麻酔薬キシロカインスプレーあるいはゼリーをしみ込ませておくと,除痛効果も期待できます。

それから,抜け落ちた歯を捜しましょう。脱落歯を運よく見つけだすことができたら,歯根の部分ではなく,歯冠部をつまみ持って,歯に付いた土などの汚れを生理食塩水などで洗い流した上で,亜脱臼の時と同様に,徒手整復による再植を試みてみましょう。

上手く元の位置に戻せたら,止血と固定を兼ねて,再度ガーゼを噛ませて,できるだけ速やかに歯科医院に急行して,精密検査と治療を受けましょう。ガーゼに表面麻酔薬キシロカインスプレーあるいはゼリーをしみ込ませておくと,除痛効果も期待できます。

もし上手く戻せない場合には,無理をせず,脱落歯を歯の救急保存液(ネオ製薬)に漬けて,乾燥させないようにして,歯科医院に持参しましょう。現場に歯の救急保存液が用意されていない場合には,生理食塩水,牛乳,水道水を代用してもよいでしょう。あるいは,患者の口の中の舌下に入れて保存することもよい方法とされています。ただ,この場合には脱落歯を誤って飲み込まないようにくれぐれも注意してください。


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