お口と全身の健康を学べるWebマガジン

11月公開予定 発行:日本歯科医師会 協力:サンスター

生涯、「歩ける」「動ける」「走れる」体であるために

2021年7月4日(日)、第26回口腔保健シンポジウムを、オンライン配信形式で開催しました。このシンポジウムは、1994年に東京で開催された「世界口腔保健学術大会」を記念し、口腔の健康に関する正しい情報を広めるために、毎年開催しています。 会場では、今年のテーマである「コロナ時代、健康管理の鍵は〈オーラルフレイルの予防〉」について、医科・歯科の第一線で活躍する専門家とゲストによるパネルディスカッションが行われ、スライドを交えてわかりやすく紹介されました。

口腔保健シンポジウム
パネリスト

健康と要介護の真ん中、
フレイルとは?

「最近外出が減り、人と話すことも少なくなった。なんだか気力も体力も落ちた気がする…」 それは、心身が「フレイル」に移行している状態かもしれません。フレイルとは「虚弱」の意味で、健康と要介護の中間点であり、不安定な時期を指します。このフレイルの状態を放置しておくと、ずるずると要介護の体に進んでしまいます。 フレイルは、多面的な要素をもちます。まず「身体的フレイル」。足腰の痛みや筋肉のやせ衰えです。
次に「心理的・認知的フレイル」。認知機能の衰えなどです。そして「社会的フレイル」。閉じこもりや経済的困窮、孤食・孤立を指します。この3つのフレイルが負の連鎖のように絡み合いながら、自立性を失わせていくのです。
フレイルの始まりとなりやすいのが、社会とのつながりです。それが断ち切れると、まるでドミノのようにフレイルが加速していくリスクがあります。しかし、フレイルには可逆性があり、生活次第でまだまだ健康に戻れる状態でもあるのです。

  • フレイルとは?
  • ドミノ倒しにならないように!

フレイル対策に着目したのが、
お口の健康

新型コロナウイルス感染症の流行によって自粛生活が長引き、「コロナフレイル」という言葉も生まれました。人とのつながりが断絶したり、心がうつになったり、食生活が乱れるなどの要因で、フレイルが進行するリスクが高まっています。
特に高齢者の中には、足腰の衰えだけではなく、体幹部分の筋肉量の減少や、握力の低下、滑舌の悪化といった負の面が多くみられています。
フレイルの状態から健康に戻るためにどうすればよいのでしょうか。そこで着目したのが、お口の健康です。
もし心臓が苦しければすぐに病院へとなりますが、お口の健康は多少不具合があっても、「また今度」と軽く捉えられがちな問題でした。
しかし、人生100年時代となった今、健康長寿を実現するには、栄養管理がなによりの一丁目一番地。何を食べるかはもちろん、どのくらいしっかり噛んで食べられるかという点において、口腔機能が大きく注目され始めたのです。

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