11月公開予定 発行:日本歯科医師会 協力:サンスター
口腔内の健康維持は、毎日のセルフケアから始まります。この日常習慣を意識づけることで、お口や歯の病気、噛む・飲み込む機能の低下といった症状を、未然に防ぐことができます。 今回は、意外と知られていない正しいセルフケアについて、一般社団法人サンスター財団の歯科衛生士である野田めぐみさんに教えていただきました。
基本は上前歯2本分の長さを目安に選んでください
例えば、歯が前後に重なっている方や歯みがき時に嘔吐感をもよおす方は、歯2本分より少し小さめのハブラシを選んでください。ハグキが少し痛いと感じる方は、今よりやわらかめのハブラシで。
自身では磨きやすいと思っているハブラシが、実は歯やお口の特徴にあっていない場合もあります。一度、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士にアドバイスしてもらいましょう。
むし歯を防ぐフッ素も流れるので、すすぎは1~2回で
むし歯の予防を機能としたハミガキ剤には、歯の再石灰化を促進する「フッ素※」が含まれています。しかし、歯みがき直後にお口の中を何度も水ですすぐと、フッ素も一緒に流れてしまいます。むし歯から歯を守るためにも、歯みがき後のすすぎは、1~2回程度にしてください。また、ハミガキ剤
は、その安全性が確立されていますのでご安心ください。
毛先が開いたら交換時期。目に見えなくても毛先は消耗します
ハブラシの毛先が広がると、毛の弾力が失われ、毛先部分が歯にあたっていない状態になり、磨き残しが起こります。
また、植毛部分に目に見えない汚れがたまっている場合や、見た目は毛が広がっていなくても毛先が摩耗していることがあります。
新品と比べて毛先が広がっている状態であれば、新しいハブラシに交換するようにしてください。
できれば毎食後に歯みがきを。歯間ブラシやフロスも併用して
昼間は外出していてなかなか磨けないという方は、夜にしっかりと磨くようにしてください。お口の中の細菌は、就寝中に増加するというデータがあります。
また、ハブラシだけでは汚れを取りにくい歯と歯の隙間には、歯間ブラシやデンタルフロスといった清掃用具を活用するようにしてください。歯間ブラシは小さめのサイズから始め、ゆるいなと感じたら徐々に大きくしていくと、ジャストサイズがわかります。
こびりついた歯石は歯みがきでは落とせません
お口の中の食べかすをもとに繁殖した細菌の塊が「プラーク(歯垢)」です。これは、毎日の歯みがきで取り除くことができます。
しかし、プラークが歯の隙間にたまったままだと石灰化し、硬い「歯石」になります。こうなると、歯みがきでは除去できません。
歯科医院では、専門の器具を使ってプラークや歯石をきれいに除去してくれますので、定期的な歯科健診を心がけましょう。