11月公開予定 発行:日本歯科医師会 協力:サンスター
マスク生活が長く続く中で「お口の臭いが気になる…」と感じたことはありませんか。もしかすると、それは口腔内環境が悪化しているからかもしれません。
マスクをつけていると、鼻呼吸をしづらくなり、息苦しさから口呼吸になってしまう場合があります。口呼吸が長く続くと口腔内が乾燥し、殺菌効果をもつ唾液の量が減少。細菌が増加し、歯周病やむし歯のリスクが高まります。さらに、ステイホームやリモートワークなどによるストレスの増加とコミュニケーションの減少が原因で、唾液の量が少なくなるともいわれています。
また、家にいる時間が長いと、お菓子やジュースを口にすることが増えがちです。これも、口腔内環境の悪化につながります。
2021年に行われたオーラルケア習慣の調査※では、新型コロナウイルス感染症が流行する以前の2020年3月と比べて、デンタルリンスやデンタルフロス、歯間ブラシといったお口や歯の新しいケアを取り入れた方が、およそ3割も増えていることがわかりました。
その反面、歯科医院への通院は、ウイルス感染への不安などから2割の方が「減っている」と答えています。
マスク生活やコミュニケーション不足、食生活の変化によって、お口や歯の状態が悪化すると、口腔機能の衰えである「オーラルフレイル」となり、それが心身の衰えである「フレイル」に連鎖していくことがあります。
口腔内の健康を守ることは、心身の健康も守ること。いつまでもイキイキとした人生を楽しむためにも、オーラルケアを健康習慣としてぜひ続けてください。
歯科医療の現場では、日頃からマスク、手袋、ゴーグル等の着用を徹底していることに加えて、さらなる感染予防策を講じることで、これまで歯科医療を通じての感染拡大の報告がないという結果を得ています。その一方で、自粛下での不規則な生活によるう蝕や歯周病の発生・重症化と、それによる全身の健康状態の悪化が危惧されます。ご心配のことがあれば、遠慮なくかかりつけの歯科医師にご相談ください。
今後とも、感染予防のためにもお口と歯の健康管理に注意し、歯周病の重症化や誤嚥性肺炎の予防のためにも、日々のセルフケアに加え、定期的な歯科健診でお口と体の健康を保ちましょう。