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舌痛症の診断

誰でも、口の中に一時的に痛みを覚えたことはあるでしょう。しかしながら、その痛みがすべて舌痛症というわけではありません。舌痛症と診断するには、いくつかの基準を満たす必要があります。ここでは、舌痛症を診断する基準、診断方法について解説します。

舌が痛いんだけど、これは舌痛症?

舌が痛いからと言って、すぐに舌痛症ということではありません。舌痛症の診断のためには、二次性の舌痛症をおこす疾患を除外する必要があります。舌痛症の診断は、同様の痛みを起こす疾患を除外することで下されます。表2に国際頭痛分類第3版による診断基準を示します。痛みは少なくとも1日のうちで2時間は自覚し、3カ月以上その痛みが毎日継続して起こっている必要があります。口の中に傷はできていませんか?口の中を清潔に保って歯垢による炎症を解消し、刺激物を摂らないでいても痛みが持続する場合には、歯医者さんに相談が必要かもしれません。

A. 口腔内の痛みは以下のBとCを満足する
B. 連日かつ2時間以上にわたって反復する痛みが3カ月以上持続している
C. 痛みは以下の2項目の性質を有する
1. 痛みは灼熱感を伴う
2. 痛みは口腔粘膜の表在性である
D. 口腔粘膜の外観は正常で、感覚を含む検査は正常である
E. 国際頭痛分類第3版における他の疾患の診断基準にうまく当てはまらない

表2 舌痛症の診断基準 (国際頭痛分類第3版による)

舌痛症の検査にはどういうものがありますか?

舌痛症の診断のためには、他の疾患を除外するための検査を行います。いくつかの全身疾患では、口の中の感覚を変化させる可能性があり、痛みを呈する可能性があります。内分泌疾患のスクリーニングとしては、血液検査を用います。さらに血液検査では、貧血や栄養素のスクリーニングを行います。血漿中の鉄分が欠乏すると鉄欠乏性貧血が起こりますが、この場合舌に炎症が起こり、痛みを伴います。胃切除を受けた患者さんでは、ビタミンB12の吸収障害が起こり、その結果として、別の種類の貧血が起こります。この場合も、舌の痛みを伴うようになります。血液の中の微量元素(特に亜鉛)が欠乏すると、舌や口唇に炎症を起こすことが知られています。消化管の手術などで食物を口から摂れなくなった患者さんに対して一定期間、中心静脈栄養という点滴を行うことがありますが、この治療が最初に用いられだしたころには、必須微量元素が点滴の成分に加えられていなかったために頻繁に口の炎症が生じました。日常の生活では、そこまでの必須微量元素の欠乏が起こることはありませんが、偏った食事を摂っているとしばしば亜鉛の欠乏などが起こります。また、口の中には常在菌といって健康な状態でも細菌が存在しますが、この常在菌のバランスが崩れた際にカンジダと呼ばれる一種のカビが蔓延ることがあり、この場合も、口の中の粘膜に炎症を起こします。この感染症を検査するためには、綿棒で舌や頬の粘膜に付着した唾液を拭い取って培養検査を行います。

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