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目 次

腫れ / えぐれ / 着色 / 舌痛症

c. 赤色の広範囲な腫れ

化膿性炎

化膿性炎  

口底蜂窩織炎(下顎骨膜炎〜口底の炎症)です。
口底部(右下の歯の内側)の腫脹と発赤、開口障害を伴っています。粘膜は赤く腫れています。右下第一大臼歯の齲歯から波及した急性炎症で、強い痛み・嚥下時痛・発熱があります。
切開して膿を出し、抗菌薬を投与(内服・点滴)します。歯が原因であればその歯は抜くことが多いようです。

d. 赤色の部分的な腫れ

右上顎歯肉エプーリス

右上顎歯肉エプーリス  

粘膜下の血管の拡張によって赤味を帯びた歯肉の腫脹が見られます。
歯周囲の炎症に関連して発生する歯肉の慢性増殖でポリープ状なります。一見すると腫瘍のように見えますが、炎症が腫れの主原因です。原因となった歯とともに、ポリープ状の腫瘤を切除します。原因となった歯を抜歯すれば再発することはまずありません。

肉芽腫性口唇炎

肉芽腫性口唇炎  

下唇右側に見られる肉芽腫性口唇炎です。
下唇全体または局所的に固く腫れて固くなっている状態です。
原因は不明ですが、遺伝的な要因を基礎として歯に関わる口の中の慢性感染症、薬剤や食物などに対するアレルギーなどの多様な誘因により発症すると考えられています。

 

e. 青色の部分的な腫れ

がま腫

がま腫  

右側口底部に見られる粘液貯留嚢胞です。 無痛性の腫脹は、薄い粘膜下に青味を帯びて見えます。嚢胞形成は舌下腺管が原因であるため、根本的な治療は外科的に舌下腺とともに嚢胞を切除することです。

右側舌背部に見られる血管腫

右側舌背部に見られる血管腫  

深部にある血管腫の青色が舌粘膜を透過して見ることができます。
切除するのが良いのですが、腫瘍が大きい場合は変形が大きくなるため切除ができないことも時々あります。


右側舌背部に見られる血管腫  

同じ腫瘍の舌を裏側から見た写真です。
こちらは粘膜表面にまで血管腫が拡大してきているので、より腫瘍の色調が反映されやすくなっており、部分的に赤く見えています。


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