動物の種類と歯のちがい
動物種のちがいと歯のちがいについてみてみましょう。
脊椎動物(背骨のある動物)では,一部を除けば,ほとんどの動物は歯をもっています。脊椎動物は魚類,両生類,爬虫類,鳥類,哺乳類に分類されますので,順番にみていきましょう。
魚類
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サメの歯 |
サカナは食べるものによって歯の形や数がちがいます。プランクトンを食べるサカナには小さな歯しかないけど,小魚や貝をたべるサカナには丈夫な歯がたくさんならんでいます。サメはするどく尖った三角形をした歯が何列にもならんでいて,抜けてしまうと,うしろにある歯が前に出てきます。コイは口のなかには歯がないのにノドの奥に歯があります(咽頭歯)。ノドの奥まで指をツッコマナイほうがいいかもね。どんなサカナにどんな歯があるのか調べてみるとおもしろいよ。
両生類
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カエルには歯がありません。といってもぜんぜんないわけではなくて,下あごには歯がないのです。というよりも,上あごに歯があるといったほうがいいかも。
爬虫類
爬虫類の歯は一般に同じ形のものがならんでいる同形歯性で,歯はあごの骨に直接くっついて,骨性に結合しています。哺乳類のようにあごの骨の中に歯根が植わっているわけではありません。ですから,一定期間使うといわゆる骨折を起こして歯がとれてします。そして,また新しい歯がはえてきます。このような歯のことを多生歯性といいます。
鳥類
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始祖鳥・想像図 |
トリには歯がありません。歯の代わりに「くちばし」があります。くちばしは爪と同じような角質でできています。でも,トリの祖先である始祖鳥には上あごに26本,下あごに22本の歯がありました。飛ぶために歯が「重たくてじゃま」になったので,なくなってしまったと考えられています。
哺乳類
哺乳類はたくさんの種類がいますが,多くは異形歯性の歯をもっています。哺乳類の上あごと下あごの歯の基本的な数はそれぞれ切歯3,犬歯1,前臼歯4,後臼歯3本,右あごと左あごの歯の数は同じですから,合計でその4倍の44本になります。ほとんどの動物の歯は退化していてそれよりも数が少なくなっています。では,身近な動物の歯列についてみてみましょう。