明るい笑顔で人気の大沢あかねさんは、「美容オタク」としても女性を中心に幅広い支持を集めています。
歯科医師・辻坂先生と、口元の健康を保つ習慣や、美容の大敵でもある「糖化」対策について語り合いました。
出演タレント•俳優大沢あかねさん
日本歯科医師会 常務理事辻󠄀坂智矢先生
月1回の歯科受診でむし歯はナシ!
ただし歯ぐきには年齢が…(大沢さん)
辻󠄀坂先生バラエティ番組をはじめドラマやCMでも活躍中の大沢さんは、3人のお子さんのお母さんでもあるんですね。多忙ななかで健康維持のために心がけていることを教えてください。
大沢さん食生活にはやっぱり気をつけていますね。なるべく野菜中心にするとか…。でも、「これはダメ」とあまり自分を縛るとストレスになりそうなので、そんなに厳しく節制はしていません。強いていえばそれが秘訣ですね。
辻󠄀坂先生続けるためにそれが大事ですね。オーラルケアについてはいかがですか?
大沢さんハブラシ、タフトブラシ※1、デンタルフロス、歯間ブラシやマウスウォッシュも全部使っていますし、歯医者さんにも月1回は通っています。けっこう意識は高いほうだと思います。
辻󠄀坂先生それは素晴らしい。普通のハブラシだけでは歯間部の汚れは6割程度※2しか落とせないといわれるので、フロスなどを併用するのが効果的です。歯みがきは1日に何回ぐらい?
大沢さん最低でも3食後に必ず。あとは収録前ですね。人と近い距離で接することが多いので気をつけています。
辻󠄀坂先生口腔内の細菌は24時間あれば驚くほど増殖するので、1日1回の歯みがきでは足りません。特に睡眠中は唾液が減って菌が増えやすいので、寝る前の歯みがきで口腔内をなるべく菌の少ない状態にしておくことが大切です。大沢さんのように3回というのは理想的ですね。
大沢さんおかげさまでむし歯はないんですが、最近は「歯ぐきに少し年齢が出ていますね」と歯医者さんにいわれて悲しくなっています(笑)。
辻󠄀坂先生加齢による歯ぐきの退縮は誰にでも起こりうるものですが、正しいブラッシングと歯周ケアによって進行を遅らせることは可能です。健康な状態でも歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)は1〜2mmは空いているのが普通ですので、毎日の歯みがきではここにハブラシを45度の角度で当て、細かなストロークで菌をかき出すようなイメージでブラッシングしてください。
大沢さんわかりました。年齢的にもこれからはもっと「歯ぐき」を意識します。
※1 タフトブラシ:毛束がひとつのヘッドの小さなハブラシ
※2 出典:山本他 日本歯周病誌 1975年
糖の過剰な摂取で起こる糖化は
老化を進める「体のコゲ」です(󠄀辻󠄀坂先生)
辻󠄀坂先生歯周病というのは歯を失う原因になるだけでなく、さまざまな全身疾患にもつながっていることをご存じですか?
大沢さんはい。震災のときに避難所でオーラルケアがきちんとできずに感染症になった人や、持病が悪化した人が大勢いたというのをテレビで見て。口というのはそんなに大切なんだと驚きました。
辻󠄀坂先生例えば、誤嚥性肺炎は、歯周病菌を含む口腔内細菌が原因のひとつとなることがあって、高齢者や体力の低下している人の場合は命に関わることもあります。また、歯周病菌が血管を通って全身にまわり、脳梗塞や心筋梗塞などの遠因になることもあります。
大沢さん口のなかの汚れが肺炎や心臓病にもつながるというのはなかなかイメージできないですよね。
辻󠄀坂先生歯周病は糖尿病ともつながりが深く、この二つを併発している人の場合、どちらか一方だけを治療してもなかなか改善しません。糖尿病の患者さんに私たちが歯周病の治療を開始したところ、長く患っていた糖尿病の状態が落ち着くケースもあります。
大沢さん私、甘いものが好きなんですけどそれも控えたほうがいいですか?
辻󠄀坂先生私も好きですよ。ただ、1日にケーキをいくつも食べる人はあまりいないと思いますが、糖分の入ったドリンクを飲み続けていると、口のなかに絶えず糖が残ることになるので気をつけてください。適量を守り、食べたら必ず歯をみがくようにすればそんなに心配する必要はありません。
大沢さんわかりました。ごほうびとして楽しむぐらいにしておきます。
辻󠄀坂先生ただし糖分の摂取が過剰な場合、それが体のタンパク質や脂質と結びついて起こる「糖化」という現象には注意が必要です。活性酸素によって起こる「酸化」は体のサビと呼ばれることがありますが、糖化は「体のコゲ」という言い方をします。前者は細胞の機能にダメージを与え、後者は老化物質を産生するので、コラーゲン(タンパク質の一種)が多い歯ぐきや肌のコンディションにも深く関わっています。
大切なのは、がんばらなくても
続けられる仕組みをつくること(大沢さん)
大沢さん「美容」は私にとって大事なテーマなので、その部分はぜひもっとお聞きしたいです!
辻󠄀坂先生コラーゲンなどのタンパク質が糖化することで、血管に硬化や収縮が起こります。血流が阻害されると栄養不足になり、肌であればシワやたるみに、歯ぐきであれば新陳代謝の低下や退縮につながります。肌や歯ぐきというのは毛細血管が多く通っているので、この影響を受けやすいんですね。
大沢さんそれを抑えるにはどうしたらいいでしょう?
辻󠄀坂先生糖化を予防することを「抗糖化」といいます。先ほど大沢さんの食生活は野菜中心という話がありましたが、それも有効な抗糖化ケアです。その他には適度な運動やストレスをためないことも重要です。糖化は歯周病リスクもそうですが、心筋梗塞や脳疾患のリスクを高めるともいわれるので、誰にとってもケアすることは大切なことですね。
大沢さんわかりました。私たちの仕事は口元を見られることも多いので、抗糖化はぜひ意識していきたいと思います。
辻󠄀坂先生ただ、拝見していると大沢さんは歯ぐきも非常にきれいですよ。肌も大変ツヤと張りがありますし、大沢さんのような「健康美」「機能美」を保つためのコツがあれば教えてください。
大沢さんいちばんは、「毎日続ける」ということだと思います。やると決めたことは続ける。それが難しいんですけどね。私も実はめんどくさがり屋なので、家のなかでは自分の動線に合わせて何箇所かに美容アイテムを置いたり、枕元には保湿クリームを常備したりしています。コツがあるとすれば、がんばらなくても続くそんな「仕組み」をつくっておくことかもしれません。
辻󠄀坂先生良いアイデアですね。継続が大切というのはオーラルケアもまったく同じです。大沢さんは月1回のペースで歯科医院に通っておられるというのがまず素晴らしいですが、その1カ月の間は正しいセルフケアを続ける必要があります。私たちのプロケアとみなさんのセルフケアは、お口を良好な状態に保つために欠かせない車の両輪です。美と健康のために、今後もぜひ良い習慣を続けてください。