制作:日本歯科医師会 協力:ライオン

長い歴史を誇る歌舞伎界で初めて、“役者と唄い手の二刀流”で活躍されている尾上右近さん。
日々の健康管理やオーラルケアでは、探求心やこだわりが満載!!
歯科医師・川原綾夏先生と予防歯科について熱く語っていただきました。

尾上右近さんの写真
歌舞伎俳優。
歌舞伎伴奏音楽も務める歌舞伎界の二刀流。大河ドラマ『豊臣兄弟』やバラエティなど多方面で活躍。日本アカデミー賞新人俳優賞、芸術選奨新人賞、読売演劇大賞杉村春子賞を受賞し、舞台・映画・芸術行政各分野で期待を集める。

出演歌舞伎俳優尾上右近さん

川原綾夏先生の写真
2009年日本大学松戸歯学部を卒業、2014年同大学院を修了し学位取得。
現在、横浜市金沢区の「カナリア歯科クリニック」の院長として、患者様とのコミュニケーションを大切にしながら、最適な治療を念頭に日々診療に当たっている。

歯科医師川原綾夏先生

一番大事にしているのは
「睡眠」。
寝る前のルーティンが
快眠の秘訣です(右近さん)

川原先生ご多忙をきわめる中、どのように体調管理をしていらっしゃるのですか?

右近さんやはりカレーを食べること、と言いたいところですが(笑)。ひとつは、通勤や散歩がてら日に当たることですね。僕ら舞台人は昼も屋内にいることが多い。これだと体内でビタミンDが生成されないなぁなんて思ったりして…。なので、晴れた日の通勤時は、おでこに太陽光を当てるようにずっと上を向いて歩いています(笑)。

川原先生適度な日光浴は確かに大切だと思います。

右近さんあとは睡眠ですね。台詞や舞踊を覚えたり次の公演の準備をしたりと、帰宅後にやるべきことが多いと睡眠時間を削りかねないので、質・量ともに良い睡眠を心がけています。快眠のために、2年ほど前からシャクティマットも愛用しています。

川原先生それって最近SNSなどでも話題の?

右近さんそれです!インドの鍼治療の原理に基づいた健康ツールで、マット一面にスパイクが並んでいるまさに“針の筵(むしろ)”のようなもの。血行促進やリラックス効果があると聞いて興味を覚えたんですが、初めて寝転がったときは耐え難い痛みで、なんで買っちゃったんだろうと(笑)。でも今は、就寝前に20分ほど寝転がりながら本を読んだりメールを返したり。そのうち体中がポカポカしてきて浮遊感も感じられて、寝つきがとてもよくなりました。

川原先生睡眠不足は、パフォーマンス低下の一因とも言われていますものね。

右近さん実は、清元という音楽の仕事で唄い手として必須の声が出にくくなったとき、睡眠時間の確保に努めたら3日ほどでツルツルの声に戻ったんですよ。

川原先生それが睡眠重視のきっかけになったと…?

右近さんはい。食べる・適度に運動する・寝るという、人間が古来当たり前に行ってきたことにはきちんと意味があると思うんです。体が資本の仕事ですからケガやアクシデントを避けるよう努めると同時に、万一トラブルに見舞われたときの対処の仕方も重要だと思っています。

尾上右近さんの写真

みがき残しをしやすい場所から
ブラッシングする習慣は
ぜひ継続を!(川原先生)

川原先生歯とお口もトラブルを避けたいところですよね。

右近さんおっしゃる通りです。僕はとにかくカレーが好きで、ほぼ毎日食べるので着色汚れも気になりますから、朝晩・食後と歯みがきはマストです。歯間が狭いので、デンタルフロスも使ってケアしています。

川原先生歯間の汚れは、ハブラシだけだと6割ほどしか落とせない※1ので、とても良い習慣だと思います。

右近さん汚れが4割も残っちゃうんですか?なら絶対フロスを使い続けなきゃ!

川原先生奥歯の奥などハブラシが届きにくい場所にもフロスは有効です。

右近さんそこ気になっていました。ちゃんとみがけているのか?ココまで、この先までみがきたいんだよなぁーって(笑)。

川原先生ヘッドが薄いハブラシであれば、奥歯の奥までみがきやすいと思いますよ。

右近さん毎日歯みがきしていると、ふと気になることがたくさんあるんですよ。いろいろあるハブラシのどれが一番いいのか?むし歯予防と着色汚れを落とすのでは、みがき方が違うのか?ハミガキ剤ってどれくらいが適量なのか?歯みがきはどこから始めるのがいいのか…と(笑)。

川原先生そこまで高い関心をもってくださるのは、歯科医としてうれしい限りです。

右近さん僕はいつも、みがきにくさを感じる下の前歯の裏側からブラッシングを始めるんですけど、それってどうですか?

川原先生良いと思います。ぜひ続けてください。一般的にみがき残しが多いのは、上の奥歯の頬側と下の前歯の裏側です。この2か所は唾液腺に近いため歯石も付きやすいんです。

右近さんなるほど。

川原先生歯医者さんへは定期的に行かれますか?

右近さん3カ月に1回、少なくとも半年に1回はお世話になっています。

川原先生とても優秀!歯科医院などではセルフケアのアドバイスもしています。何を使い、どのようにケアすれば良いか。歯とお口の状態は一人ひとり異なるので、今の自分にもっとも必要かつ適切なケアの方法やコツをぜひ相談してみてください。

※1 出典:山本他 日本歯周病誌 1975年

役者は“本気で嘘をつく仕事”だけに、
生身は生涯本物でありたい(右近さん)

川原先生日本歯科医師会が行った調査※2では、4人に3人が「もっと早くから歯の健診や治療をしておけばよかった」と後悔していることがわかっています。

右近さん歯は失えば取り返しがつかないですからね。“日々の積み重ねが後から効いてくる”というのは、芸の上でも非常に思うこと。歌舞伎の女方で70代の役者が娘役を演じたとき、お客様が違和感なく受け入れてくださるのは、その役者が若いうちから娘に見えるアプローチの仕方をしっかりストックしているからこそなんです。

川原先生若いときからの取り組みが、年齢を重ねてもキラキラ輝き続ける秘訣というのは、歯のケアとも共通しますね。

右近さんしかも歯とお口は、人生における楽しさと紐づいていますよね。美味しいものを食べる、思いきり笑う、会話を楽しむ、すべて歯とお口が健康じゃないとできない。加えて、フィジカルとメンタルは相互影響しあうものですから、歯とお口にトラブルを抱えてしまうとメンタルにも相応の影響が出るように思います。

川原先生歯は心身の健康維持に欠かせない、一生モノの宝ですから。

右近さん頑張るとか困難に立ち向かうさまの比喩に「歯を食いしばる」という言葉がありますよね?実は、歌舞伎の衣装や鬘や刀などの小道具はすべてが重いんです。だから必然的に食いしばる(笑)。

川原先生食いしばりは歯に負担がかかるので避けたいことですが、食いしばれる歯がなければ、頑張ることができなくなってしまう可能性があるわけですね?

右近さんそうなんです。そういう意味でも、歯は本当に大事だと思っています。役者はいわば「本気で嘘をつく仕事」です。だからこそ、自分のカラダ自体は本物でありたい。生涯、役者であり続けるために、そして自分の歯で何でも食べられ愛するカレーを堪能できるように(笑)、今後も歯を大切にしていきたいと思います。

※2 出典:日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」2018年

尾上右近さんと川原綾夏先生の写真