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頬小帯

頬小帯は上下顎の小臼歯部に頬粘膜から歯槽部に向けて付着している襞のことです。この頬小帯はほとんどが障害をきたす事はありませんが、歯を失い、歯槽骨が吸収した場合には、この頬小帯の付着部が相対的に歯槽頂に近くなります。その結果、義歯装着の際に義歯の安定を妨げる原因となることがあります。また、デンタルインプラントを行った場合など清掃を妨げる原因にもなります。こうした時には外科的に頬小帯の切除術、あるいは伸展術を行うことが必要となります。

舌小帯強直症

 
   

小帯が舌側の下顎前歯歯槽部の高位に付着しているため、前歯の間に隙間が出来ている。

舌の挙上が不可能であり、舌の形態がハート型を示し、舌小帯強直症の特徴的な所見を示している。

上唇小帯

 

歯槽部の高位に付着する上唇小帯である。現在は、上唇に対する運動制限は認められないため、永久歯の萌出まで経過観察の予定である。

頬小帯

 

歯槽部の高位に付着する頬小帯である。現在のところ、機能的障害は認められないため、経過観察中である。

引用文献
1、根本京子,他:舌小帯短縮症患者における機能障害の認識度と自覚症状について.日本口腔科学会雑誌49:p356-362,2000
2、高戸毅(監修):口腔診療必携 困ったときのマニュアル・ヒント集202.金原出版株式会社,東京,2010,p50

東京大学大学院 医学系研究科 外科学専攻感覚・運動機能医学講座 
口腔外科学分野 教授 高戸毅、講師 西條英人

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