(3) 歯の色,その異常について(参考例:図B-A〜E)
歯の色(色調とも呼ぶ)について,解説する前に補足解説をしておきます。それは,『歯の色』が歯の質感を表現する一つの特徴であって,科学的には歯の質感の要素は@透明感(透明度),A色感(色相),B硬さ(硬度)の三要素から成っています。
いわゆる正常歯(以下,健常歯と呼ぶ)の場合,歯冠部の最も外層を包み,身体中で最も硬いエナメル質はその結晶に異常を認めないために透明性があって,そのエナメル質の内側にある象牙質の表層が透視され,その結果として歯はアイボリホワイト,即ち,チョーク様な白色ではなく,むしろ淡黄白色に見えるのです。しかし,今日,この様な歯の正常な色を変色と思い,改善を求める患者さんが増えてきて,「ホワイトニング」で極端に漂白される傾向も見られるなど,エナメル質の透明度の無い『いわゆる白い歯』が一般に好まれ,その評価が歪められているようです。本来,健常歯はその発生過程(歯の出来はじめから完成,萌出する迄の過程)は歯種によって一様ではありません。
例えば前歯の出来始めは切端(切縁)部に3つの発育葉から成る歯の芽からスタートし,これらが発生に伴って一体化して一本の歯が形成されます。
臼歯(小臼歯,大臼歯)はそれぞれ咬頭の数だけ発育葉が発現し,その発育葉からエナメル質の形成誘導が開始され,歯冠部の形成過程で発育葉間の間隙は融合連絡して一体化して,歯冠部が発育形成されます。一方,少し遅れますが,ほぼ同時進行で歯冠部表面のエナメル質とこれと背中合わせに歯の内側の歯髄側に向かって,象牙質の形成が進みます。歯頚部付近の形成では,エナメル質を形成していた細胞が萎縮し,それ以後,歯根形成が進行し歯の萌出力となって,歯根長形成の終わりまでに周囲環境に障害がなければ,歯は正常に萌出することになります。
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