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言語機能と構音障害

構音障害について教えてください。

ことばを理解しているし、伝えたいことばははっきりしているのですが、音を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできない状態を構音障害と言います。構音障害があると話の内容が相手に伝わりにくかったり、相手が話し手の音に不自然さを感じてしまい、コミュニケーションに支障をきたします。ただし、小さなお子さんの場合は年齢に応じて音作りが上達している時期ですので、必ずしも問題があるとは限りません。

構音障害の原因

構音障害は様々な原因によって生じますが、大きく分けると、形の問題によるもの、運動の問題によるもの、明らかな問題のないもの、の3つに分類できます。

(1)形の問題によるもの

 病気やけがのために、音を作る時に使う器官が欠損したり、形の異常のために起こる発音の問題で、器質性構音障害と呼ばれます。先天的なものとしては、口蓋裂(口の天井の部分が開いている状態)、粘膜下口蓋裂(口蓋垂、いわゆる「のどちんこ」が割れている状態など)、鼻咽腔閉鎖不全(話をするときにことばが鼻に漏れたり、抜けたりする状態)、舌小帯が短いなどの舌の形態の異常などがあります。 後天的なものとしては、がんなどの切除手術によるものが代表的です。舌がん術後では舌の一部がなくなって動きが悪くなる、上顎がん術後では口腔と鼻腔の境目である上あごが一部なくなり、ことばが鼻に抜けてしまうなどの問題が出てきます。

(2)運動の問題によるもの

脳卒中やパーキンソン病など、発音に関わる動きをコントロールする神経の病気が原因で起こる発音障害です。運動障害性構音障害、麻痺性構音障害、ディサースリアなどと呼ばれます。思い通りに舌や口を動かせず、発音に支障をきたします。

(3)明らかな問題のないもの

上記のような明らかな原因はないのですが、発音に誤りがあるタイプを「機能性構音障害」と言います。小学校入学間近なのに赤ちゃんことばが治らない(「カ行音」が「タ行音」に置き換わる、「サ行音」が「タ行音」に置き換わるなど)、子どもの頃に身に付けた発音の誤り(くせ)が大人になっても治らない(「キ」が「シ・チ」に近い音にひずんで聞こえるなど)といったように、脳や神経、聴覚などに異常がないにもかかわらず発音がうまく出来ない場合には、機能性構音障害を疑います。

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