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はじめに

国は、近年における国民の食生活を巡る栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向等の問題、また、食の安全や海外依存の問題の発生に伴い、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むための食育を推進することが緊急の課題となっていることに鑑みて、食育基本法を制定し、その施行(平成17年7月15日)に至りました。

食育基本法は、「前文」に続いて「目的」「基本理念」国等の「責務」「基本的施策」「食育推進会議の設置」等についての条文を設けています。食育基本法の前文では、食育の位置付けについて、「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」とした上で、特に子ども達に対する食育については「心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいく基礎となるもの」としています。

また、食育とは「食」に関する知性と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることである、としています。

食育について

1.食育推進基本計画

食育基本法に基づいた食育推進基本計画は、平成18年〜22年までの5年間を対象とする計画として作成されました。その内容としては、「はじめに」「基本的な方針」「目標」「食育の総合的な促進」「必要な事項」の各事項から構成されています。

国・地方公共団体等の推進体制として、国は食育の推進に関する施策の実施の推進を図ることを目的にした食育推進会議を内閣府に設置し、内閣府は食育の推進を図るための基本的な政策に関する企画・立案及び総合調整の事務を担うこととなり、文部科学省、厚生労働省、農林水産省等の関係各府省が実施する食育に関する施策の連携を図り、政府として一体的に取組む体制が整えられました。

また、基本計画では、国や地方公共団体と食育を推進する各種ボランティア等が連携し、一体的な食育推進運動を展開することができるよう、全国的かつ横断的な連携・協力を呼び掛け、国民運動として食育を展開していくこととされています。

地方公共団体は、食育基本法において、国の食育推進基本計画を基本として、管轄する地域の食育推進に関する施策についての「食育推進計画」を作成するよう務めることが求められ、全ての都道府県に平成22年までには地域特性を加味した独自の食育推進計画が策定されました。

2.第2次食育推進基本計画

「周知から実践へ」をコンセプトに平成23年〜27年までの第2次食育推進基本計画が策定されました。本施策の「基本的な方針」には、@生涯にわたるライフステージに応じた間断ない食育の推進 A生活習慣病の予防及び改善につながる食育の推進 B家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進の3つの重点課題が掲げられています。

1)食育の推進の目標に関する事項

食育の推進の目標に関する事項は11項目に増え、「よくかんで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加」など歯科関連の内容が挙げられています。

第2 食育の推進の目標に関する事項
  • 食育に関心を持っている国民の割合の増加
    71.7%⇒90%以上
  • 朝食又は夕食を家族と一緒に食べる「共食」の回数の増加
    9.2回(22年度)/1w⇒10回以上(合計)
  • 朝食を欠食する国民の割合の減少
    子ども1.6%(19年度)⇒0%、20〜30歳代男性28.7%(20年度)⇒15%以下
  • 学校給食における地場産物を使用する割合の増加
    26.1%⇒30%以上
  • 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている国民の割合の増加
    50.2%⇒60%以上
  • 内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の予防の改善のための適切な食事・運動 を継続的に実践している国民の割合
    食事・運動 を継続的に実践している国民の割合41.5%(22年度)⇒50%以上
  • よくかんで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加
    70.2% (22年度) ⇒80%以上
  • 食育の推進に関わるボランティアの数の増加
    34.5万人(21年度) ⇒37万人以上
  • 農林漁業を経験した国民の割合の増加
    27%(22年度)⇒30%以上
  • 食品の安全性に関する基礎的な知識を持っている国民の割合の増加
    55.6%⇒90%以上
  • 推進計画を作成・実施している市町村の割合の増加
    40%(22年度)⇒100%

「よくかんで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加」の説明には、国民が健やかで豊かな生活を過ごすには、十分な口腔機能の発達、維持が必要であり、身体の栄養のみならず味わいや心のくつろぎにつながる食べ方に関心を持ってもらうことが重要です。このため、よくかんで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加を目標とする。具体的には、平成22年度に70.2%(食べ方に関心のある国民の割合)となっている割合について27年度までに80%以上にすることを目指す、との解説が加えられています。

2)食育の総合的な促進に関する事項

「食育の総合的な促進に関する事項」は1.家庭における食育の推進 2.学校、保育所等における食育の推進 3.地域における食育の推進 4.食育推進運動の展開 5.生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等 6.食文化の継承のための活動への支援等 7.食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査・研究の7つです。「3.地域における食育の推進」の記述の追加として、生活習慣病の予防及び改善につながる食育推進」「歯科保健活動における食育推進」「高齢者に対する食育推進」が追加され、それぞれの追加記述の内容には、歯科と関連の深い食育推進内容が記されています。

(1)歯科保健活動における食育推進
地域における食育の推進の「歯科保健活動における食育推進」の項の記述の追加として、「すべての国民が健やかな生活を過ごすため、80歳になっても自分の歯を20本以上残すことを目的にした「8020(ハチマルニイマル)運動」とともに地域における食育を推進するための一助として、より健康な生活を目指すという観点から、一口30回以上かむことを目標とした「噛ミング30(カミングサンマル)」を目指して、小児期から高齢期まで各ライフステージに応じた食べ方の支援や食品の物性に応じた窒息などの予防を含めた食べ方の支援など、歯科保健分野からの食育を推進する」と述べられています。
(2)高齢者に対する食育推進
地域における食育の推進の「高齢者に対する食育推進」には、65歳以上の高齢者については、健康上問題で日常生活に影響のある者の割合が概ね4分の1となっている(平成19年「国民生活調査」)こと等から、高齢者の身体機能や生活機能を維持できるよう、食育を推進するとともに、その支援、環境整備を促進する、と述べられた後、 また、加齢による機能減退が原因となる窒息の予防に考慮した「食べ方」を推進することによって、窒息事故を防止し、バランスの取れた栄養状態を保ち、安全で活力を維持する高齢期の食育を推進する、との食べ方の食育の推進によって、不慮の事故でその占める割合が第一位の窒息事故を防止しについての追加記載がなされている。

3.食育ガイド

内閣府は、第2に食育推進基本計画の基づいて、生涯にわたって大切にしたい食育について、具体的な取り組みの最初の一歩を促す「食育ガイド」を作成しました。ガイドは、「生涯にわたる食の営み」「食べる」「生産から食卓まで」「災害への備え」「まとめ」から構成されています。それぞれの項目の中では、何か一つでも実践に結び付けられるように、食生活の振り返りを行い実践できそうなことをチェックしたり書き込んだりできるようになっています。この「食育ガイド」は内閣府の食育推進室のホームページに掲載されており、自由にダウンロードできるようになっています。

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