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歯の健康シンポジウム
2019秋イベントレポート

2019年10月23日、東京・渋谷にあるTRUNK HOTEL ONDENにて、日本歯科医師会主催の「歯の健康シンポジウム2019秋」が開催されました。テーマは「オーラルケアとビジネスパフォーマンス」。日本歯科医師会による講演のほか、ゲストに堀江貴文さんを迎えての対談など、おおいに盛り上がりました。

主催:日本歯科医師会
協賛:パナソニック株式会社

第2部

対談「パフォーマンスを向上させる、
歯と口の健康意識改革」

堀江貴文氏(ゲスト)

小山茂幸(公益社団法人 日本歯科医師会 常務理事)

歯周病の口の臭いは、
おならと同じ!

小山
日本では定期的に歯科医院に通っている人は2~3割、欧米では8~9割といわれています。
堀江
正直にいって歯を磨かない人や歯科に行かない人は「意識低い系」だと思います。僕は一般社団法人予防医療普及協会という団体で、歯科以外にも、糖尿病、ピロリ菌、子宮頸がんワクチンなどの啓発活動をしています。
小山
「歯医者に行こう」という活動ですか?
堀江
そうです。歯磨き剤、歯ブラシなどデンタルケアに関するメーカーのテレビCM等の広告は、あたかも毎日歯磨きしていれば、むし歯にも歯周病にもならないというメッセージに僕には聞こえますが、それはどう思いますか。
小山
定期的に歯科医師が管理することが大事。つまり歯の汚れをとり、セルフケアの方法を教えた上で、3カ月毎にきちんとできているかを確認する。また、歯肉溝のチェックは歯科医院でしかできません。そこを含めてクリーニングするプロフェッショナルケアが大事です。
堀江
意識の低い人が予防歯科に興味を持ち、実践することが大事。むし歯は我慢できない痛みになるから、必ず歯科に行く。だから治るし、むし歯にならないような歯磨き法も覚える。問題は歯周病です。歯周病は歯科医院に行かないとダメ。僕はデンタルケアのメーカーが商品のプロモーションをする時に、商品だけではなく「歯科医師のコンサルティングを受けて、歯石をとってください」と、ぜひ強調してほしいと思います。
予防医療普及協会では、匿名の口臭通知メールというサービスをはじめました。匿名で相手に口臭があることを知らせます。すべての口臭が歯周病由来ではないけれど多いのは確か。歯周病菌は硫化水素、つまりおならの臭いです。口からおならのニオイが出てるんです。利用者数はまだまだ少ないですが、一定の効果はあると考えて広報活動をしています。やはり簡単で刺さりやすい。「口が臭い」と言われるのは誰でも嫌だと思うので、歯科医院に行かなきゃという強い動機が生まれます。僕たちが考えて効果がありそうだと思ったのがこのサービスでした。

口の臭い人と
仕事をしたいと思うか?

堀江
たとえば企業の健康診断に歯周病菌のチェックを入れてはどうか。数値としてエビデンスを見せれば、本人も自分の口臭を認識できます。当然、口の臭い人は営業成績が悪いはず。全社員の口臭をなくせば売上につながると思います。
司会
口の臭い人はやはりビジネスパフォーマンスが低いと思いますか?
堀江
僕自身は「こいつ口臭いな」と思ったら近づかないし、仕事も一緒にしません。僕からの発注は減っているし、僕と同じ発想をする人もいるだろうと思います。何より歯周病の怖さは痛みがないこと。むし歯は痛いからわかるけれど、歯周病は気がついたら歯がボロっととれる。その時には口の中は硫化水素だらけ。でも口臭は本人が気づきにくい。糖尿病も似ていて、毛細血管に血がいかなくなって神経が死んで組織が壊死していくので痛くないんですね。
小山
どちらも若い頃から積み重ねてきた生活習慣が、40~50歳頃に発症して取り返しがつかなくなる。
堀江
そうなんです。歯周病と糖尿病の怖さは、サイレントキラーであること。
小山
ある会社が歯科健診を社員全員に実施しました。最初の2年間は歯科医療費が高くなりましたが、続けたらその後、医科の医療費がどんどん低くなっていきました。
堀江
そうでしょうね。
小山
会社は社員が健康になってきたのを実感できた。でも、その2年間の健診料と治療費の負担が大変で、歯科健診の導入になかなか踏み切れない。そこをどうするかです。
堀江
長期的には医療保険制度の改革。たとえば欧米の一部の国のように、歯科健診を半年ないし四半期に1回受けないとむし歯などになった時に保険適用されない、全額自己負担になるとか。そうすると結構みんな歯科医院に行きます。ここは、ぜひ政治でやってもらいたいところです。

入れ歯や歯周病は恥ずかしい文化へ

司会
堀江さんご自身のケアについて教えてください。
堀江
僕は朝起きてブラッシングと、寝る前に必ずブラッシング、歯間ブラシ、デンタルフロス。デンタルフロスでないと歯と歯の間のむし歯は予防できないから。後は3カ月に一度、歯科医院で歯石や着色などのクリーニングをしてもらっています。
小山
いわゆる予防歯科と呼ばれるセルフケアとプロフェッショナルケアの両方ですね。
堀江
いちおう及第点はもらえるかなというぐらいにはやっています。
小山
いかにボトムアップして、堀江さんのような方を増やしていくか。
堀江
入れ歯が当たり前の文化をなくすことだと思います。実際にちゃんとケアしていれば、8020はほぼ100%達成できると思うし、60~70歳代で自分の歯が20本あるのは実現可能です。入れ歯の人に申し訳ないし、クレームが来るかもしれないが、入れ歯は1つのポイント。そこは誰かが覚悟を持ってやらないといけない。僕たちは僕たちでやろうと思っています。

定期的なプロケアは予防歯科に必須

堀江
ちなみに先日電動ハブラシをいただいて使っています。
小山
どうですか?
堀江
これは縦振動と横振動があるのがいい。毛先が入っていく感じがします。また、歯磨きの時間が短くてすみます。時短も、歯磨きを毎日やるインセンティブになると思う。僕は正直なところ、めちゃくちゃ念入りに磨く必要はないと思んです。
小山
セルフケアですべて磨けるわけではないので、そのために3カ月に1回の歯科医院でのプロフェッショナルケアがあります。
堀江
そうなんですよね。皆100%を目指そうとしますが、9割以上磨けていればいい。むしろ、毎日続けることが大事。僕は夜寝る前と、朝起きた後。これが一番効率がいい。菌が繁殖するのは唾液が少なくなる夜の時間帯なので、寝る前にきれいに磨き菌を最小限にして、起きて繁殖しているのを取るというのが合理的です。昼間はわりと唾液がでると流されるので、そこまで繁殖しないから。
司会
最後にお伝えしたことはありますか。
堀江
ぜひメーカーさんには商品広告をする時に、「3カ月に1回とか定期的に、最低でも半年に1回、歯科医院に行って歯石を取ってください。できればデンタルフロス、歯間ブラシを併用してセルフケアに努めてください」といってもらいたいですね。多分この会場でも、デンタルフロスと歯間ブラシを使っている人がいるかアンケートをとれば悲惨な結果だと思いますよ。僕自身、友人と旅行に行ってもだいたい歯ブラシだけなので、歯間ブラシやデンタルフロス使っている友人がいると「意識高いね」と言っちゃいますから。
小山
そういう人が増えていく世の中にしたいですね。