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最新の治療(ファイバーポスト、CAD/CAM、ジルコニア)

ファイバーポスト(図21)は、歯質の欠損が大きすぎてそのままでは冠(クラウン)の保持が難しいときに用いる土台(築造体、コア)を作るときに利用するものです。土台には金属の土台とプラスチック(硬質レジン)の土台があります。ファイバーポストは金属に比べて曲げ強度が歯根の象牙質に近いため、歯根を破折させる危険が少ないため歯質に優しく、ファイバーポストとレジンを用いた土台は色も天然歯に近いため、上に透明感の強いオールセラミッククラウンなどを用いる場合にはより審美的な修復が可能となります(図22、23、24)。ファイバーポストを使ったレジンコアの治療は保険適用外です。

CAD/CAMとはコンピューターによって修復物の形状を設計し、そのデーターに基づいて材料のブロックを削りだして修復物を作製する方法です(図25、26)。通常の修復物は鋳造といって、鋳物を作るのと同じで鋳型の中に溶かした金属を流し込んで作ります。一方、CAD/CAMでは、材料のブロックを削りだして修復物を作製するために、材料の物性を損なうことなく高品質な修復物を作ることができます。また、鋳造では不可能な材料(ジルコニアなど)も加工することができます。ジルコニアは整形外科領域では股関節の大腿骨の骨頭部分に利用されているように、生体親和性が非常に高く、高強度の材料です。一般にはセラミック包丁(これもジルコニアです)として利用されています。歯科でもこのジルコニアを用いることにより、強い力のかかる奥歯のブリッジも金属を用いずにオールセラミックで作ることができるようになりました。金属を使用していないので、審美的にも優れていますし、汚れが付きににくく、歯肉の健康を維持するためにも特に優れています(図27、28、29)。保険適用外です。

図21 図22
図23 図24
図25 図26
図27 図28
 
図29  

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学教授 三浦宏之

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