広場へ > 雑学いろいろ > 歯と口に関する故事・熟語 > 口耳四寸(こうじしすん)の学

歯と口に関する故事・熟語

口耳四寸(こうじしすん)の学

 紀元前330年頃の中国の思想家・荀卿(じゅんけい)が著した『荀子』32篇のうち、「勧学篇」を出典とします。これは耳と口の距離が四寸であることに由来し、「口と耳との間でする」という意味です。


 タイトルのように「口耳四寸」に「学」が付くと、聞いたことをそのまま人に伝えるだけの、身に付かない学問・受け売りの学問を指します。転じて人から聞いて耳から入った学びを、そのまま知ったかぶりをして、さも自説のように人に説明することの軽薄さを戒めてもいます。


 情報・学問は、まず一度自分の脳内で咀嚼(そしゃく)をして、自分の言葉に翻訳し自分の考えとしなければ、本当に身に付いたとは言えないということですね。勉強でもしっかりと「咀嚼」をし、「消化」した上で脳ミソの栄養として「吸収」することが大事なのです。


 余談ですが、荀卿が50歳にして初めて、斉の襄王(じょうおう)の下で、「祭酒」という役職に就きますが、なんの役職だか分かりますか? 宴会幹事ではありません。学長職でした。

日本歯科医師会 広報委員会

ページトップへ