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歯科からの幕開け

近代の麻酔は、歯科医師が先駆者

 現在、外科的手術に欠かせないのが「麻酔」です。麻酔薬の発見によって飛躍的に医療が進んだのは、誰もが認めるところです。
 古代ギリシャ、エジプトなどでは、大麻等の麻薬を使用して手術を行った記録があります。先史時代にはアヘンと大麻の2つが最も重要な薬草として利用されていました。南米ではチョウセンアサガオから抽出されたスコポラミンがコカのように用いられたことが分かっています。中国では、名医・華佗(かだ)が「麻沸散(まふつさん)」(大麻ではないかと言われている)という麻酔を使い、腹部切開手術を行ったと『三國志』に記録されています。また、江戸時代である1804年に外科医・華岡青洲(はなおか せいしゅう)が世界で初めて、全身麻酔を用いて行った乳癌手術では、麻酔薬『通仙散』(つうせんさん。別名:麻沸散。チョウセンアサガオにトリカブトやトウキなどを配合したもの)が投薬されたようです。
 さて、近代的麻酔の幕開けと言われている吸入式の麻酔は、1845年に歯科医師であるホーレス・ウェルズ(米国)が笑気(亜酸化窒素)麻酔により抜歯を行ったことでしょう。続いて、やはり歯科医師であるウイリアム・T・G・モートン(米国)が1846年、マサチューセッツ総合病院で硫酸エーテルを麻酔薬として最初の公開手術を行い、成功しました。その後、ジエチルエーテル、クロロホルムが用いられるようになり、近代麻酔薬の発展につながったのです。


日本歯科医師会 広報委員会

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