歯科医療の現場から
災害時に生きる普段のケア
オーラルケアは、自分で行うセルフケアと歯科医師や歯科衛生士などの専門家が行うプロケア(プロフェッショナルケア)があります。
お口の健康を維持するためには、セルフケアとプロケアのどちらも欠かせません。
普段からのセルフケアとプロケアは、災害時のお口の健康管理にも大いに役立ちます。
それぞれの役割を知って、上手に取り入れましょう。
普段(平時)の
セルフケア・プロケア
<セルフケア>
毎日自分で行うオーラルケアの基本。歯みがきに歯間ブラシやフロスなども活用して、歯垢を取り除き、虫歯や歯石を予防します。
<プロケア>
歯石の除去など、自分ではできない専門的なケアを行います。
また、正しいブラッシングや自分に合うケア用品、生活習慣の見直しなどのアドバイスも行うため、自宅でのセルフケアに取り入れることで、持続可能なオーラルケアを目指すことができます。
プロケアで必要な治療は完了させておくこと、定期的に健診を受けることで、災害時の環境やストレスによる口腔環境の悪化を最小限に抑えることができます。
災害時のセルフケア・プロケア
<セルフケア>
断水などで、普段と異なるケアが必要になります。できるだけ普段のセルフケアの状態に近づけることができるように意識しましょう。
災害時を想定して、新しい製品を試したり工夫したりすることで、より良いケア方法の発見ができたり、オーラルケアの重要性に気づくきっかけにもつながります。
<プロケア>
被災時は応急処置等の治療が中心になります。入れ歯を無くして食事が出来ない方や、歯や歯周病の痛みの処置などの応急処置が優先的に行われます。
災害時は、いつもの歯科医師が担当するとはかぎらないため、普段から自分の状態を把握して、伝えることができるようにしておきましょう。
口腔環境の悪化が命を左右することもあります。巡回している歯科医師に積極的に受診するよう心がけましょう。
監修/
石川県歯科医師会 会長 飯利邦洋先生
危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー 国崎信江先生
一般財団法人サンスター財団 歯科衛生士 市川洋子さん
