目 次
- 1.マウスガードって、どういうものですか?
- 2.マウスガードはいつ頃から使われていますか?
- 3.どうしてマウスガードをしなければならないのですか?
- 4.どんなスポーツをする時に、マウスガードをつけたらいいのでしょうか?
- 5.野球のボールが当たって、一度歯を折ったことがあります。野球ではマウスガードの着用が義務付けられていませんが、マウスガードをしたほうがいいでしょうか?
- 6.マウスガードには脳震盪の予防効果があるって聞きましたが、本当ですか?
- 7.マウスガードにも色々な種類があると聞きましたが?
- 8.カスタムメイドマウスガードのことを詳しく教えてください。
- 9.既製のマウスガードを購入する際に気をつけるポイントは?
- 10.既製品のマウスガードの調整の仕方を教えてください。
- 11.既製マウスガードの調整が上手く行きません。どうしたらいいですか?
- 12.マウスガードの手入れの仕方はどのようにすればいいですか?
- 13.マウスガードの保管方法で気をつける点は?
- 14.スポーツ中に歯が欠けてしまった場合の救急処置はどのようにすればよいですか?
- 15.スポーツ中に万一歯が抜け落ちてしまった場合の救急処置はどのようにすればよいですか?
- 16.歯を食いしばった時には、どれくらいの力が歯にかかっているのですか?
- 17.歯をグッと食いしばると、全身の筋力がアップするって聞きましたが、本当ですか?
- 18.マウスガードのことをもっと詳しく知りたいのですが?
7.マウスガードにも色々な種類があると聞きましたが?
一口にマウスガードといっても、様々なデザインやカラーのものがあり、素材の種類も豊富にあります。大別すると、既製マウスガードとカスタムメイドマウスガードの 2 種類です。
既製マウスガードはスポーツ用品店で売られているものです。海外からの輸入物を中心に、色々なスポーツメーカーから出されています。価格は 1,000 〜 5,000 円程度です。比較的廉価に買い求めることができるので、コストの面から、既製マウスガードを第一選択する方も少なくないようです。安かろう悪かろうではないですが、既製マウスガードを試した大多数のスポーツ選手が装着感に不満を覚えるのは事実のようです。結局、マウスガードを持っているだけで、実際に使っていない人が多く存在していることが明らかとなっています。
その点、カスタムメイドマウスガードは、歯科医師(あるいは歯科医師の指示の下に歯科技工士)が、選手一人ひとりの歯並びやお口の大きさにピッタリ合うように、歯の模型上で精密加工成形するものです。歯のプロフェショナルが丁寧に調整を加えるため、フィット感、快適性、かみ合わせの安定性の点で優れ、運動・スポーツの妨げにならないマウスガードを体験することができます。ただし、料金は保険が適用されませんので、自費扱いとなります。あなた自身の安全のため、適合が良く専門的に調整されたマウスガードを装着しましょう。また、永久歯が生え揃う前の子どもさんの場合や歯列矯正をしている場合などは歯科医師に気軽に相談して下さい。
8.カスタムメイドマウスガードのことを詳しく教えてください。
カスタムメイドマウスガードは、歯科医師が一人ひとりのお口の歯型を精密にとって、お口や歯並びの状態、身体の発育状態、それから参加する競技種目、などの情報から、適格に作り上げるものです。また装着した後も入念に調整が必要ですので、定期的にチェックしてもらいましょう。使用する衝撃吸収材料とデザイン等によって、料金は前後しますが、おおよそ 5,000 〜 20,000 円です。
最近はマルチカラーによるオリジナルデザインに仕上げたり、ネームやロゴ、背番号等を組み込んだりすることも可能です。自分だけの個性的で外傷予防に優れたマウスガードがカスタムメイドマウスガードです。
スポーツ歯科に通じた歯科医師を始めとして、歯科衛生士や歯科技工士などがチームとなって、皆さんの安全で快適なスポーツライフを積極的に支援いたします。
9.既製のマウスガードを購入する際に気をつけるポイントは?
口の大きさや歯並びは一人ひとり違います。したがって、既製のマウスガードを購入する際には、自分の歯型に合った形とサイズのものを選択することが大切です。ただし、店頭でマウスガードを試着することはできませんので、実際には適合の良い既製品を買い求めることは難しいのです。
キッズやジュニアの場合には、顎の成長と歯の生え代わりに伴って、歯並びやかみ合わせが変化していきます。こうした成長と変化に合わせて、マウスガードにも適宜調整を加える必要があります。もちろんサイズが合わなくなれば、買い替えなければなりません。不適合なマウスガードを長く使い続けることは、かえって正常な顎の発育や歯の生え変わりを妨げる恐れがあります。既製品を使用する時にも歯科医院でアドバイスをもらうと良いでしょう。
10.既製品のマウスガードの調整の仕方を教えてください。
既製品のマウスガードが上手に作れるようになるには何回か練習も必要です。実際の手順ですが、まずマウスガードを80 〜 90 度の熱湯につけて適度に軟らかくします。軟らかくなったマウスガードを箸などを使ってお湯から取り出します。取り出したマウスガードを水にサッと通してから、すばやく口の中に入れて(火傷にくれぐれも気を付ける)、唇の上から指で押さえ、唇をイーと動かしたりして、形を整えます。内側は舌で押します。同時に、マウスガードを軽くかんで歯形をつけて、かみ合わせを安定させます。これらの操作でマウスガードの形態修正が上手くいかなかった場合には、もう一度同じ操作を繰り返してみましょう。成形が上手くいったら、マウスガードをお口の中から取り出して、十分にマウスガードを冷ましましょう。冷めてから、口の中に入れてみて、気持ち悪くて吐き気がするところやはみ出したところ、歯ぐきに当たって痛いところなどを鋏(はさみ)などで切りとり、修正を加えましょう。
最後に、出来上がったマウスガードを口の中に入れて、歯と歯ぐきにフィットしていて、口を開けても落ちてこないか?しばらく着けていて、顎がだるくならないか?呼吸は苦しくないか?サ行、タ行、ラ行が言えるか?調べてみましょう。全てに問題がなければ、完成です。
11.既製マウスガードの調整が上手く行きません。どうしたらいいですか?
歯や口のケガを守るための大切な安全具ですから、基本的に外傷を予防できる形と厚さが確保され、その上で違和感も少なく発音や呼吸に影響を与えないように調整しなければなりません。初心者が既製品のマウスガードを上手に使いこなすのは大変です。一度、かかりつけの歯科医院で相談にのってもらうのが良いと思います。
12.マウスガードの手入れの仕方はどのようにすればいいですか?
使用前には、マウスガードを水で軽くすすいでから、口にはめるようにしましょう。マウスガードは熱に弱い素材でできていますので、熱いお湯で洗うことは厳禁です。汚れがひどい場合には、軟らかい歯ブラシに歯みがき材をつけて、ていねいに磨くとよいでしょう。ヌメリや臭いが気になるのであれば、ドラッグストア等で市販されている義歯用化学洗浄剤を用いる方法も有効でしょう。