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2.神経系薬剤

(1)神経系薬剤とは

 精神疾患(統合失調症、うつ病等)に対して、定型抗精神病薬、非定型抗精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗パーキンソン薬などが処方されます。これら疾患の治療薬を神経系薬剤として取り上げ、歯科治療時の注意点を示します。

(2)歯科治療時の注意点

1)お薬手帳の提示
抗うつ薬や抗精神病薬などの神経系薬剤の中には口腔乾燥、咬合の違和感、顎関節痛、咀嚼障害、歯周疾患、歯痛など、口腔に関連した症状を引き起こすものが多くあります。副作用の症状が強く対処が難しい場合は担当(処方)医師と相談の上、減薬や薬剤変更をすることがあります。自己判断で休薬・減薬しないで、歯科医師に相談してください。

2)歯科で問題となる主な神経系薬剤の種類
@三環系抗うつ薬(イミプラミン・アナフラニール・トリプタノール)⇒口腔乾燥症
Aフェノチアジン系抗精神病薬(クロールプロマジン・レボメプロマジン)⇒自律神経系への影響、唾液分泌抑制⇒う蝕・歯周疾患の誘発
Bブチロフェノン系抗精神病薬(ハロペリドール・スピペロン)⇒錐体外路症状⇒歯痛

※錐体外路症状:筋肉の緊張をコントロールする大脳の錐体外路という神経の通り道に、何らかの損傷が起きることによって現れる症状の総称。具体的な症状は、手足がふるえる、じっとしていられなくなる、体がこわばる、正常に歩けなくなる、動作が遅くなるなど。

3)歯科処置
 精神科での治療を半年以上中断なく継続できていて、ご本人ご家族が改善を感じられる時期が適しています。もちろん現在うつ症状がないことが重要です。
 最初はブラッシング指導、スケーリングなどの可逆的な治療を重ねて信頼関係を作ってから、徐々に通常の診療へ進めていきます。インフォームドコンセントを十分に行い、本人が納得してから治療を開始することとなります。

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