(回答)
特に何回とかどの時間帯とかという大きな根拠はないと思います。口の中に細菌が目に見えて繁殖しない程度であれば、1日1~2回位で良いかもしれません。また、時間帯も大きな規定はないですが、平均的なところで2回行うのであれば、朝晩位で良いでしょう。歯磨きも病気の予防を考えて行うのか、快適性を求めて行うのか、人によって様々だと思いますので、自分のライフスタイルと合わせて実施回数や時間帯を考えてください。
(回答)
1日3回食後3分以上磨くと歯の健康に良いという科学的な根拠は乏しいと思いますが、現在このようにされているなら、それを否定する程のものでもないでしょう。「質問1参照」
(回答)
適正な歯磨きであれば、デメリットはないと思います。不適正な使用であれば、質問にあるような歯の磨耗や歯ぐきの痛みもあるかもしれません。不安があるなら適正な磨き方を歯科衛生士に診てもらうのが良いでしょう。
(回答)
口の中の細菌は菌種や環境条件にもよりますが、世代時間(細菌が分裂するのに要する時間)が20~40分位です。一晩寝ると1万倍位増えます。つまり、きれい好きで99.99%除菌しても、一晩寝ると元の数に戻ります。しかし、一般に病原菌は世代時間が長く、非病原菌は世代時間が遅いようです。例えば黄色ブドウ球菌では、メチシリン耐性がない菌は世代時間が40分ですが、耐性菌は210分。口腔の非病原性レンサ球菌と歯周病菌を比較しても歯周病菌は世代時間が遅いので、歯を磨くと非病原菌が増加し、歯周病菌が減少します。このように、歯を磨いても無菌になるわけではないので、口中の抵抗力がなくなり逆に悪くなるというご心配は不要です。
(回答)
ブラッシングなど細かい操作を必要とする動作は、利き手の方が上手にコントロールできます。
歯磨きのコントロールも利き手の方が良いと思います。その理由は、歯を磨くという動作は、大変細かい動きを要求されます。歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、歯並びが重なっている場合などもあります。
利き手でない手を使用する場合、力が入り過ぎることは少ないと思いますが、細かい動作がしづらくなり、プラーク除去の効率が低下することが考えられます。
(回答)
両者とも、あくまでもブラッシングの補助として用い、プラーク除去効果を期待しない方が良いと思います。
デンタルリンスは、口に含んで適量を口に含み、洗口後、吐き出し、(原液タイプと希釈タイプ)使用後のうがいは一般に実施していません。
液体歯磨きは、10ml~20mlを口に含んで、約20秒程度含んでからブラッシングをします。
両者とも選択する際に、薬用成分の有無やその効能を確認して選択すると良いでしょう。
効能とは、う蝕予防か歯周病予防かを考えて選択しましょう。
(1)う蝕予防が目的の場合、
《歯質の強化》フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ
《酵素の働きを抑制・阻害する》デキストラナーゼ
《う蝕発生に関与する病原菌に対する》クロルヘキシジン
(2)歯周病予防が目的の場合、
《生体側に作用する薬効成分》ヒノキチオール、アラントイン、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、塩化リゾチーム、酢酸トコフェロールなどが配合されているものを選択すると良い。
(回答)
現在市販されている歯磨剤のほとんどに「フッ化物」が入っています。しかし、同時に歯の汚れを除去する研磨剤も入っています。
フッ化物の効果を期待して多く使用した場合、当然研磨剤の使用量も増えます。長期間にわたって力を入れてブラッシングを行った場合、歯が摩耗してしまうこともあります。
(回答)
歯ブラシを使用してのブラッシングでも十分に歯の清掃はできるのですが、歯ブラシにも限界があります。歯と歯が接触している場所です。
その場合のプラーク除去効果が高い器具が、デンタルフロスです。
順番はどちらでも良いと思いますが、一度歯ブラシを使用してのブラッシングを行い、上手に磨けたかを確認するための歯垢染色を行って、歯ブラシが届いていない場所を確認してから、デンタルフロスをお使いになると良いと思います。
それぞれの効果を目で見て確認し、部位に合わせた器具を、歯科衛生士に相談することをお勧めいたします。
(回答)
かかりつけ歯科医に相談し、物が挟まる原因をきちんと検査した上で、自身の状態に合わせた歯間ブラシのサイズを選んでもらってください。また、他のフロス等の補助清掃器具が有効な場合もありますので、相談してください。
(回答)
手用の歯ブラシより、音波歯ブラシの方が歯垢の除去効果があるという報告は多いです。この結果はもちろん音波歯ブラシを正しく使用できるという条件があってのことだと思いますので、道具に走るより正しい使用方法を歯科衛生士などからアドバイスを受けましょう。
(回答)
音波式歯ブラシは、一般の方は当然ですが、歯周病になり歯と歯の間の隙間(歯周ポケット)が深くなってしまった人、矯正装置を装着している人、インプラントの治療を受けている人なども適しています。
1分間に31,000回振動しているので、歯ブラシがその部位に接触しなくとも、毛先から2~3mm先の歯周ポケットや歯間部のプラークを除去することができるものもあります。
使用する際には、力を入れずに毛先だけ当てて、1カ所にとどまらないように常に角度を変えて移動させながら使用することをお勧めします。
(回答)
電動歯ブラシは、手指機能が低下している人や高齢者、その介護者、器用でない人、専門家の好みや考え方によって、手用歯ブラシの代用品として使用されています。
使用目的は、一般の歯ブラシを使用したブラッシングと同様で、歯や舌の清掃、歯ぐきのマッサージなど期待することができます。
一般的な使用方法は、歯ブラシ自体が前後運動や回転運動をしているため、一定の軽い圧を加えながら磨くと良いでしょう。
歯磨き剤を使用して強い力で、長期間にわたって磨くと歯が削れる恐れがあるので、歯磨き圧や歯磨き剤の使用については、個別に歯科衛生士に相談することをお勧めいたします。
(回答)
差し歯や被せた歯のケアは普通の歯と同じようにしてもらえば良いと思います。特に自分の歯の部分との境目(主に歯茎周りになると思いますが)をよく磨きましょう。また、特に壊れたりしていなければ交換の必要はないでしょう。
(回答)
口内炎に関しては、原因がはっきり分かっていませんので何とも言えませんが、経験上、口をきれいにしている方が良いようには思いますので、今後も歯のケアは続けてください。今のケアが良いかどうかは、定期的な健診を受けておられる歯科医院で確認してください。
(回答)
歯周病菌はタンパク質を分解して揮発性の硫化物を産生します。口臭の原因の多くはこの揮発性の硫化物です。歯は多い方だと32本ありますので、原因と思われる歯の治療をしただけでは、歯周病菌を除菌することはできません。口臭がかなりある方は歯周病菌が口の中で異常増殖をしていますから、薬効のある歯磨き剤を使い、丁寧に歯ブラシと歯間ブラシで歯磨きをする必要があります。
さらに口臭は舌の上にたまる舌苔(舌についたコケのような汚れ)が最大の原因と言われています。舌ブラシなどを使って舌の上を掃除することも効果があります。
(回答)
歯は4面(表裏と両隣)あります。口臭がある方は、歯ブラシで4面のうち2面(表裏)しか磨いていない場合があります。フロスか歯間ブラシを使わなければ、残りの2面(両隣)は磨けません。フロスか歯間ブラシを毎回使っている場合は、そのにおいを嗅いでみてください。もし臭ければそこに歯周病菌が増殖しています。その場合はフロスだけでは不十分です。薬効のある歯磨き剤を使い、丁寧に歯間ブラシで歯磨きをする必要があります。
(回答)
そのとおりです。将来は労働安全衛生法に歯の検診を導入する必要があります。また、特定健康診査にも腹囲と同様に導入する必要があります。
(回答)
歯の喪失における性差の問題は、複雑な要素が絡んでいます。女性だから歯を喪失しやすいと単純に結論付けることはできません。
女性の場合、出産、閉経後に歯を喪失するのは、主に歯科医院へのアクセスが悪い農村地区に居住している方です。都市部では、女性よりも男性の方が歯を喪失します。つまり、女性の歯は居住環境や努力次第で守れることが分かっています。かかりつけ歯科医を持つことが第一条件ですが、その他に、カルシウムの摂取を心がけるのはもちろん、そのカルシウムを体内に摂り入れられるようバランスの良い食事を心がけ、きちんと歯を磨くことが大切です。
(回答)
1981年にポルトガルのリスボンにおいて世界医師会が開かれ、次のような宣言が出されました。a. 患者は、民間であると公的であるとを問わず医師や病院あるいは保健サービス施設を自由に選択し変更する権利を有する。b. 患者は医療のどの段階においても別の医師の意見を求める権利を有する。このリスボン宣言が明確に述べているように、患者には良質の医療を受ける権利がありますから、先生の言いなりではなく患者の納得が得られる説明と治療をしてくださる先生を自由に選んでかまいません。
(回答)
かつては、医療法で医院や医師(歯科医師)に関する広告の制限がありました。ようやく最近になって医療法が改正され、かなり自由に医院や医師(歯科医師)に関する宣伝(専門分野など)が可能になっています。インターネットでも多くの情報が得られますので、その先生の得意分野をよく調べて決めるのが良いと思います。もちろん、宣伝だけに偏らず、場所や診療時間等を含め様々な情報からかかりつけ歯科医を見つけられるのが良いと思います。
(回答)
直接、歯周病と骨折の因果関係を明らかにすることはできません。ただ、両者が関連する理由として、1)歯周病が骨粗しょう症に関係し、歯周病のある方では骨がもろくなって折れやすくなる、2)歯周病の場所から、全身の筋力を下げる性質を持つ物質が出るため、体のバランスを取るのが難しくなって転倒しやすくなり、骨折の機会が増える、3)歯周病により歯が失われることが直接、体のバランスを取る力を低下させ、転倒ひいては骨折を増やす、などが考えられます。
(回答)
歯を失うことと腰痛、また、頭痛の関係であればいくつかの報告がありますが、歯を失う原因になる細菌との関連に関しては報告がありません。人間の身体は色々な臓器が複雑な関係で成り立っているので、関連があったとしても中間に様々な要因が長期にわたって関与するので、ミュータンス菌との関連を証明することは難しいと思います。
(回答)
具体的な数値は示されていますが、調査場所や調査対象者の年齢によってまちまちです。
歯周病菌は血管内皮細胞に対して毒性を示しますので、歯周病になると血管の老化が進みます。ヒトは血管とともに老いますので、歯周病が進行して血管が悪くなれば脳や心臓を含めてほとんど全ての臓器に何らかの影響を与えると考えられます。
(回答)
人間は複雑な生き物なので、歯を失って奥歯が噛みしめられない場合でも、その状況に耐えることができます。しかし、数百人の集団で見ると歯の本数の違いが、耳の力に影響することは十分考えられます。その場合でも、歯を失ったから耳の力が低下した、と結論付けることはできません。
一般論で説明しますと、奥歯が悪くなる原因になる歯周病菌は血管内皮細胞に対して毒性を示しますので、歯周病になると血管の老化が進みます。ヒトは血管とともに老いますので、歯周病が進行して血管が悪くなれば、耳を含めてほとんど全ての臓器に何らかの影響を与えると考えられます。
(回答)
歯肉と薬との関係として、一部の降圧薬や抗てんかん薬などで歯肉の増殖を起こす副作用を持つものがあります。詳しくは、歯科医にご相談ください。
(回答)
歯周病と全身疾患との関連性については、まだ研究段階の点も多いのですが、低体重児出産リスク以外にも、心筋梗塞や脳卒中などについてリスクの具体的な数値を出している研究論文も多数あります。さらに、歯周病と心血管疾患との関連について、29の研究結果を統計学的手法でまとめ(メタ・アナリシス)、両者に関連があったとしている論文報告もあります(Int Dent J 2009; 59: 197-209)。
(回答)
入れ歯になると、天然歯よりも噛む力が弱くなります。80歳の入れ歯の方にアンケート調査をすると、「らっきょう」が噛めないという答えが多いです。入れ歯の方に硬い物を食べてもらうには、その方の入れ歯が顎堤にぴったり吸い付いていることが大切です。合わない入れ歯を入れていると、顎堤の骨が吸収してしまいます。この場合は、歯科医院で入れ歯の調整をしてもらう必要があります。
(回答)
食事開始については、様々なケースが考えられるので、主治医とよくご相談ください。まずは誤嚥などのない安全な食事ができることを優先して考えてください。
(回答)
まずは、日々の入れ歯の清掃(取り外して磨くこと、洗浄剤の使用)を心がけてください。入れ歯の適合状態や咬合状態(咬耗のチェック)などの確認を歯科医にしてもらい、良い状態で入れ歯を使用してください。入れ歯でも多くの物は食べられると思いますので、食べられる物は何でも食べましょう。
(回答)
多分、小唾液腺から出る唾液ではないでしょうか。
(回答)
「開眼 片足出し」は高齢者のバランスを測定する方法です。「閉眼 片足立ち」は若者のバランスを測定する方法です。新潟大学の調査で、上下顎の左右大・小臼歯群による4つの咬合支持域の残存状態を基準にするアイヒナーの分類と「開眼 片足出し」の長さに関係があることが分かりました。